シノビガミ「楽園」リプレイ − 予告 −

「ユヤちゃーん、暇があったらさ、うちのクラスの豚汁味見しに来てね!」


私立清陵学園は、にぎやかな学園祭の前日を迎えていた。

「ほんと楽しいよねえ。どれぐらいお客さんが入るだろって考えるとワクワクするよね!」


「お茶っ、……こっち」


「誰が誰のことを好きなのかを! 今こそこの、学園祭直前というラブが最高潮に盛り上がるシチュエーションで!」


「最後の文化祭だ。僕は、この文化祭を必ず良いものにして、生徒会長の任を果たしたい」


「そっち持っててそっち持ってて、……あー! 崩れたー!!」


喜びを、恋心を、責任感を、さみしさを。
それぞれに胸に秘めたまま、生徒会の面々は奔走する。


「お前、運動会では何の種目に出たんだ?」


「……どうでもいいけど早くしてください」


「たとえば、一月後に空に浮かぶ大きな星が落ちてきて、この世界が滅ぶであるとか。

 たとえば、どこかで何か物凄いものが目覚めて、世界全てを焼きつくすであるとか」


「ばあやを使いに出したのは時計が9時を打ったとき……」


幕開けは間近。カウントダウンを。
かけがえのない思い出の学園祭へ、

「秘野森。耐えられるか。それにさえ耐えられればいい」


「それまでは一緒にいるから。そのあと、……アタシを、止めて」


「おーい、そろそろ竿用意してくれ!」「分かりました、先輩!」


どうか、ご一緒に。
皆様お手を願います。


「ひとつだけ、聞く」

「なぜ」「……私を、選んだ」



★ 閲覧注意 ★

「楽園」はRole&Roll Vol.70及び「忍秘伝」掲載の公式シナリオです。
当リプレイはその大幅なネタバレを含みます。
PL予定の方はくれぐれも閲覧をお避け下さいますようお願い申し上げます。

河嶋陶一郎先生の筆になる、あまりにも名作といえるシナリオです。
ぜひ、ぜひ実際にプレイして、
先に、皆さま自身の「楽園」をお楽しみくださいませ。



こちらは、GM予定の方のご参考に、
マルチエンディングすぎるこのシナリオの別の結末が気になる方に、
「楽園」をもう一度別の形で追体験したい方に等、
お役に立てましたら幸いです。