◆ 第2サイクル・シーン「?」 ◆  「雪踏み分けて君を見む」


 Scene Player ―― ?



GM : 生徒会室で打ち合わせ。このままゆけば、無事に文化祭本番を迎えられそうな気がします。

ユヤ : うんうん。

GM : 体育館からは、演劇部がロミオとジュリエットの練習をしている声が。

龍之助 : (演劇部員)「わーー、バルコニーが崩れたー!」

ユヤ : よく崩れるな!?

GM : 他にも、軽音楽部がギターの練習をする音。

ユヤ : ドッドッドッドッ。

GM : 話し合いをして、諸星真琴が「……どうでもいいけど早くしてください」と言ったあたりで、君たちは違和感を覚える。

PL : ……?

GM : どういう違和感かというと、





秘野森 : 『……この話、前にもしなかったか?』





GM : そう。――9月30日を、もう1回やっている。

PL : お……おおおお!?

ユヤ : 朝になっている……?

GM : はい。

シオリ : じゃ、かちゃかちゃかちゃっと電卓を叩いて「(手を止めて)……あ、れ」

ユヤ : 心の中で、「ふふ、誰が誰のことを好きなのかを! 今こそこの、学園祭直前というラブが最高潮に盛り上がるシチュエーションで! 調べ……あれ、ちょっと分かってる?」

龍之助 : 「よし! 任せとけ……その売り上げって、」……「あれ?」

PC : 「…………!?」(息を呑んで顔を見合わせる)

GM : ここで「エニグマ」を公開します。




【偽装】『文化祭の小道具(喫茶店の衣装)』
「PCたちの同好会の発表。その中に隠されていたのは……?」



【偽装】『清陵学園』
「県下一の進学校。いつもは勉強に追われている生徒たちも、文化祭直前のこのときだけはハメを外している」


GM : この9月30日。他の生徒たちは全く違和感なく文化祭の準備をしていますが、君たちだけは連続した記憶を持っています。

シオリ : ループしてることを分かってていい。

GM : そう。分かってていい。

シオリ : 真琴とカオルはどんな感じなの?

GM : えーとね……驚いている様子は、ない。

龍之助 : ……うん。うん。

ユヤ : そうか。驚いてはいないな。

秘野森 : 「と言うわけで、衣装を調達しなければならない。それから、生徒会として全校の様子を見なければならない」

ユヤ : 「はーい」




龍之助 : 「……ね、シオリちゃん。俺らの衣装は『もう決まってた』よね?」

シオリ : (こくこくこく)

龍之助 : 「ん、そうか。……分かったよ。ありがと」

シオリ : 「レンタルの、用意。もう、して……」

秘野森 : 「それを、これから『しなければならない』。――いいね」



 確かめるように、ゆっくりと告げる会長。

 会長、シオリ、龍之助、ユヤの4人は頷きあった。



龍之助 : 「……水波。俺ら男子って何着るんだっけ?」

GM(カオル) : 「あれ? 何着るか、これから決めなきゃいけないよね?」

龍之助 : 「……。うん。そうだったっけ、ごめんごめん」

ユヤ : ばばばっと書記のノートをめくるんだけど、ノートには書いてないですよね。

GM : そう。




秘野森 : 「衣装や食料品の調達は、三好君、君に任せる」

ユヤ : 「えっと、えっと」

シオリ : 「……喫茶店、決まった時から、執事させるつもり」

GM(カオル) : 「あー、そういうことか!」

シオリ : (こく)「私、衣装、着たくないし」

ユヤ : 「アタシたちどうしようかしらね!」

シオリ : 「紅茶、いれる」

ユヤ : 「裏方?」

シオリ : (こっくり)

龍之助 : 「えー、こんな可愛い花が三つも咲いてるっていうのに!」




秘野森 : 「天波君は……廊下を見回り周辺のクラスの準備状況を確認してくれ」

ユヤ : 「はーい」

秘野森 : 「陸奥君。君は、校庭や体育館の見回りを頼む」

龍之助 : 「分かった」

GM(カオル) : 「しっかし、楽しいよなー、準備って!」

GM : 真琴は周囲をちらちらと見て、確信が持ちきれない様子で首を傾げる。「え、……え」

ユヤ : そうかー。そりゃ「早く帰りたい」よな。

GM : というわけで。導入シーンをもう1回やったので、次こそ普通のシーンになります。

PL : おー!?

ユヤ : 今のシーンは特に誰のシーンていう訳ではなく、

GM : そう。再度の「導入シーン」でした。

龍之助 : おおおお!

ユヤ : 新しいなー! これは確かに「特殊型シナリオ」だ!




GM : 打ち合わせが終了し、それぞれが準備に向かうでいいでしょうか。

龍之助 : 部屋を出際に、真琴の頭を撫でて行っていいですか。

GM : いいよ。

龍之助 : 「ごめんな真琴ちゃん。――邪魔、して」