◆ リサーチフェイズ:シーン18 ◆ 「イースターエッグ」


 Scene Player ―― “打ち上げ花火”伊達 康介

 Scene Card ―― レッガー(正位置)



伊達監督:場所は倉庫、瀬戸とチームで登場で。

RL:では、ハヤテが昔搭載されていたボロ車の横にしましょうか。

伊達監督:満面の笑みで「瀬戸ちゃーん、助かってるよ! これが演技初挑戦とか信じらんないよ!」

瀬戸ハヤテ:「いえ、あの、で、出来てますか俺!?」

RL:さっきとのギャップ!!w

伊達監督:「ばっちりだよ! あの人混みのチェイスシーンの、帽子を投げる小粋な演出とかさ。そもそも最初の事務所の脱出シーンだってさ、見事な大立ち回りしてくれて、オレはもう驚かされっぱなしだよ」

瀬戸ハヤテ:「いちお、あれくらいならハイ…… できます(照れ気味)」

伊達監督:「セリフの回し方も言葉の選び方も最高と来たもんだ」

RL:台本には「なんかかっこいいセリフ」としか書いてないからなあw

瀬戸ハヤテ:「ぜんぶこう、今まで観た映画とかをこう、かっこよさそうなとこをつぎはぎしてるんで、映画に詳しい人が見たら『あれ、これって』ってなっちゃうかもしれなくて、それが心配なんですけど」

伊達監督:「いいんだよ。そう言うのが散りばめられてると、逆に映画ファンは興奮するんだ」

RL:SNSとかで話題になるやつだ。

瀬戸ハヤテ:「確かに」

伊達監督:「イースターエッグってやつさ」


もう動かないボロ車に背中を預けて監督は話す。


伊達監督:「助かるよ。オレときたら、映画を撮ることしかできなくてな。好きなことなんだけどさ」車を指さして。「学生時代は、こいつに乗ってタカちゃんとST☆RやらM○●Nやら、金もねえのに映画撮りまくったもんだ」

瀬戸ハヤテ:「え、N◎VAの外まで行ったんですか」って、本当は全部知ってるんだけど。

伊達監督:「行ったんだよー。いきなりカムイに行きたいっつっても、キャンベルに行きたいっつっても、何とかしてくれんのがタカちゃんだから」

瀬戸ハヤテ:「さすがですね」ぶちぶち言いながらだったなー、と思い出してる。


伊達監督:「で、瀬戸ちゃんにいっこ相談があってさ。主演男優と監督の相談ってやつだ」

瀬戸ハヤテ:「はい」むしろここまで相談しないで良くやったよな!?

ALL:(笑)

伊達監督:「映画の撮影ってふうにしてるけど、エルシーが狙われた事件ってのはガチのマジのホンモノなわけだ」

瀬戸ハヤテ:「――はい」

伊達監督:「だからこの後くるクライマックスってのは、ほんとの弾丸と血が飛び交うアクションになる。エルシーを守る以上、かかる火の粉は払わなけりゃならない。――ただ」

瀬戸ハヤテ:「はい」

伊達監督:「(あっけらかんと)オレ、ジョシュ殺したくねえんだわ!」


唐突な無茶振りに、ハヤテがなぜか不意に黙りこむ。


瀬戸ハヤテ:「……。監督。一個、ハリーについて相談があって」

伊達監督:「おお!? 何だよ、何でも言ってよ」

瀬戸ハヤテ:「自分の演じる役に注文つけるようで申し訳ないんですけど」

伊達監督:「(身を乗り出して)いやいや、どういう相談よ。どんなことにしたい?」

瀬戸ハヤテ:「ハリーには師匠がいて。師匠には娘さんがいて、父親は死んだと思ってるんですけれど、実は生きていて」

伊達監督:「ほうほう」

瀬戸ハヤテ:「『どうしようもなくなったら、一回だけ頼っていい』ってハリーに言ってたことにしてほしいんです」

伊達監督:「で、お師匠さんは助けに来る?」

瀬戸ハヤテ:「直に助けには来なくていいんですけど、どうしてもの時にハリーが電話で泣きごとを言っちゃえるような」

伊達監督:「んん、面白いアイデアなんだけどなぁ……! 師匠を演じられる役者を、今から手配できるかって問題があるか」

瀬戸ハヤテ:「えっと……」

伊達監督:「あんの!?」

瀬戸ハヤテ:「ちょっと、こういう感じで演ってみたんです」

RL:さっきの映像か。

瀬戸ハヤテ:見たところは探偵っぽい男が立ってるだけなんだけど、その中では師匠に泣きごとを言っている、かつて助手だったハリーっていう会話が展開されている。「ジョシュに連絡を取って、カマかけるついでにやってみたんですけど」

伊達監督:「なるほどなあ。瀬戸ちゃんのセリフはばっちり決まってて…… 向こうめちゃくちゃ動揺してんな!?」

瀬戸ハヤテ:「はい。だから、さっき伊達さんの言ってた、この人殺したくないっていう。あれ、結構脈があるのかなって思ったんです」

伊達監督:肩をはたいて「瀬戸ちゃん、やるじゃん。確かにそうだな。カマかけありがと」

瀬戸ハヤテ:「(うなずく)」

伊達監督:「くう〜、こういう何が起こるか分かんねえってとこがあるから映画撮影はやめらんねえ!」

瀬戸ハヤテ:ぜったい映画撮影ふつうこういうこと起こんないよな!? って思ってる。

永倉P:(笑)

伊達監督:「よし、その路線でいこ。編集の難しいとこあっても、タカちゃんが何とかしてくれるよ」

永倉P:ふざけんな、映像はお前がまとめんだよ!!w

伊達監督:「OK、瀬戸ちゃん。じゃ、展開と映像にちょっと変更入れる。ハリーには実は生きている師匠がいる。そういうふうにしときゃ」片眼でウィンクして。「パート2とかパート3作る時にネタになるしな!」

ALL:(笑)

RL:ほんとだ!w

伊達監督:敵として立ちはだかったりな!「じゃ、その路線で、ジョシュは殺さないってことで」

RL:戦いは難しくなるけれども。

瀬戸ハヤテ:「(神妙に)――わかりました」



★舞台裏

永倉プロデューサーが購入判定。能力値判定で「タタラ煮込み」を買う。


永倉P:あとで監督に渡す用。「技能:単独」の判定の達成値が上がる。

伊達監督:10が出やすくなるってことか? 助かるー!