Scene Player ―― 瀬戸 ハヤテ
Scene Card ―― タタラ(逆位置)
RL:では一方その頃、飲み物を買いに出た二人…… あ、エルシーはどうする?
瀬戸ハヤテ:ウェブチャームで通話をするので、音声は外に出さない。
RL:OK。
瀬戸ハヤテ:ストリートの片隅で、街角の監視カメラを撮影用に利用。そっちには音声を録らせる。
RL:いいでしょう。エルシーは「探偵さんがどこかと通信してる」と思うくらいで、缶ミルクティーか何か飲んで待っています。
永倉P:MPシーンにする?
瀬戸ハヤテ:したい。
RL:了解です。――相手は動揺した様子で通話を受ける。
瀬戸(ハリー):あっちが声を出す前に。『アイザックさん。俺です。――ハリーです』
ジョシュ:「――!! ふざけたことを、言うな。あいつはもう」
瀬戸(ハリー):『俺、頑張ってるんです、今。アイザックさんみたく。なんか、突然女の子が駆け込んで来て。レッガーたちに追われてて、助けてくれって』
ジョシュ:「……」
瀬戸(ハリー):『まずい取引の現場、なのかな。そう言うのを目撃しちゃったみたいで。……すみません、もう独立したのにこんな話するの。でも俺、頼れるのアイザックさんしかいなくて』
ジョシュ:「(震えを押さえ込んだ声で)アイザックは死んだ。“ハリー”は、……ハリーと言う男は消えたはずだ。生まれてもいない。どこにもいない。どこにもいなくなっちまった。お前は何の話をしている」
瀬戸(ハリー):『俺、教えてほしいんです。どうすれば、ハリー・バーリィは、名探偵アイザックみたいに、あの子を守ってかっこよくまた送り出してあげられますか』
ジョシュ:「――……」
ジョシュ:「……“ハリー”は」
瀬戸(ハリー):「……」
ジョシュ:「ハリーってのは、主人公(ヒーロー)だ。下らねえ小悪党どもを蹴散らして、その子を守れ。夜明けまで」
RL:ピッ、と無機質な電子音と共に通話が切れます。
エルシー:「(ハヤテが顔を上げたのを見て)あ、ご、ごめんなさい。私、もたもた飲んでて」
瀬戸(ハリー):『……いや。大丈夫だ。それを飲み終わったら行くとしよう』
エルシー:「はい」
瀬戸(ハリー):『ふたりが待ってる』
RL:“ハリー”からの通話を切った後、ジョシュは呆然とポケットロンを下ろす。何があったか知らないし分からないウェストワードは「おい何してる、行くぞ」とせっつくけれど。
ジョシュ:「……あれは、誰だ」
ウェストワード:「あん?」
ジョシュ:「アイザックしか知らないはずの番号に」
ウェストワード:「誰だって?」
ジョシュ:「……俺、か? いや。俺のハリーは消えたはずだ。映画は撮られなかった。撮られないまま終わっちまった」
ウェストワード:「おい、どうしたァ」ジョシュのほっぺたをぱちんぱちんとはたく。
ジョシュ:それでようやくはっと顔を上げる。「……いや、何でもない。行こう」
★舞台裏
永倉プロデューサーが〈交渉〉〈直属部署:コモン〉の判定でトループを呼ぶ。ダイヤの8を出し、報酬点を達成値上限まで積んで22人。トループ名「エキストラの皆さん」を掻き集めた。