◆ Opening 05 ◆  「とん、とん、とん」


 Scene Player ―― “コンバット・シブチョー”高原 村雨



GM : 次が、予定ではオープニング最後のシーンです。

高原 : しかし何が起こるかは誰にも分からな

GM : シーンプレイヤーは高原。

高原 : あ、私? ハイ。

あとり : あれから1週間の月日が経過した。

GM : そう。

FZ : 合ってる!?

GM : あとりにも登場要請出します。状況としては……



 ● 先程のシーンから約1週間が経過。

 ● パンダジャーム事件はほぼ収束。

   他組織の動きも調査しているが、目立ったものは見つかっていない。

 ● 鞠の姿がない。



高原 : ジャームの発生に関しては、偶然の可能性もあると。

GM : だといいね、って。鞠は仕事を休んで今日が2日目になります。ただ、高原は事前に彼女から、3日間お休みしますという話を聞いている。で、あとりはそれを聞いていなかったので、

あとり : 支部長室にたずねに行く。

GM : それだ。

あとり : 学校は?

GM : 学校も休んでるね。……高原の支部長室ってどういう感じにする?

FZ : (真ん中に、とジェスチャー)リング。

GM : リング!?

あとり : (並んでいるさまをジェスチャー)筋トレマシーン。筋トレマシーン。筋トレマシーン。

GM : えええええ!

高原 : いちおう、人払いができるように個室をもらっておこう。それなりにいい机があって、部屋のかたすみには埃をかぶったパソコンがあって、

GM : なんで埃かぶっちゃうの!?



 高原はひどい機械音痴というキャラに。



高原 : FAXと兼用しているコピー機があって、ソファーと机があって。

GM : 応接セット。

高原 : うん。あとはまあ、部屋の片隅にぶら下がり健康器と鉄アレイとボクシングマットと。

GM : え? あれ?

高原 : ああ、あと、腹筋するときに使う鉄のボール。

GM : ええええ(笑)……じゃ、あとりは、最初来た頃はぎょっとしてたけどそろそろ見慣れ…られるものかこれ?

あとり : 「あ、いっこ増えてる」とかそういう(笑)

高原 : あとりが来る頃には、ランニング姿で、こう、煙のような汗がモワアーと。

FZ : むさい!

GM : むさい!!

高原 : 「フー……(ダンベル中)」

あとり : トン、トン。(ノック)

高原 : ぽた……ぽた……ぽた(汗)

FZ : シーンがむさいよ!?

GM : むっさ……



 大不評。



高原 : 「(凛とした声で)中にいるよ。入りなさい」

あとり : 「失礼します」

高原 : 「!? その声は、その声は相浦くんか」

GM : まだ慣れてない子だよ!(笑)

高原 : 「ちょっとさすがにまずい!」鉄アレイを置いて…

GM : まずいっていうか可哀想でしょう!?

高原 : 汗をキュッキュッと拭いて…

あとり : 「あの……お構いなく」

GM : 気ぃ使われてる!(笑)

高原 : 「いや、そろそろ上がろうと思っていた所だ。どうした相浦くん」

あとり : 「あの」

高原 : 「飯かい」

あとり : 「いえ、あの、」

高原 : 「まだ来たばかりで、いいレストランとかも分からないかもしれないけれど、」

あとり : 「“人魚の鉄姫(メタルマーメイド)”のことで」

高原 : 「ラーメ…… …メタルマーメイド。内海くんか」

あとり : 「はい」

高原 : 「まあ、あの。なるべく名前のほうで呼んであげるといいよ。友達なんだ」

あとり : 「はい、学校とかでは、普段は…。ここだとお仕事っぽいから、そっちで呼びました」

高原 : 「そうかそうか」

あとり : 「で、あの」

高原 : 「内海くんか」

あとり : 「はい。学校も休んでいるので……」

高原 : 「ああ、彼女はいま休暇をとっているんだ。3日ほど休むと言っていた。学校にも連絡は行っているはずだ」

あとり : 「学校には来るかなって思ったんです。ほら、あの子……学校、好きだから」

高原 : 「彼女は、よく旅行にも行くからね。それも彼女なりの『日常』の過ごし方なんだろう。……まあ、学校を休んで行くというのはあまり歓迎されることではないけれど、私たちはなかなか土日に予定が合わないからね」

あとり : 「はい……」

高原 : 「心配かい?」

あとり : 「心配なのが半分と……あと、学園祭の内容が決まっちゃったから、その関係のプリントを」



 あとり、学校で受け取ってきた鞠の分のプリントを取り出す。



高原 : 「ああ、なるほど。休んでる間に決まっちゃったのか。内海くん、けっこう楽しみにしてただろう」

あとり : 「はい、だから」

高原 : 「けど、彼女も、参加するのが楽しいみたいなところがあったからな」

あとり : 「はい、でも……彼女が心配してたことが現実になっちゃって」

高原 : 「心配……中止か!」

あとり : 「いえ!」

高原 : 「じゃあ、やることになったものが、こう、さほど歓迎されないようなたぐいのものだった! ずばり……(考)ペットショップ!」

GM : うん!?

FZ : 学園祭で!?

高原 : うん。「ただもちろん犬や猫は出せないから……ペット役をやる人がいる。当たりだろう!」

FZ : 指さすな(笑)

高原 : 「これは…きついぞ……!」

あとり : 「着眼点はその、まちがってないです」

高原 : 「まちがってない!」

GM : ええ!?

あとり : 「出し物、演劇になっちゃって」

高原 : 「演劇!」

あとり : 「一ヶ月後なんですけど、学園祭」

高原 : 「一ヶ月後の演劇をやる!……おおお、本格的だなあ!」

GM : (笑)

高原 : 「本は? もう出来てるのかい。本も一ヶ月前でできてないとなると、……より本格的だよ?」

あとり : 「ある程度内容は絞ってあって、それで、その中からみんなで選んで」

GM : 台本に起こすのか。

あとり : 「いくつか案がピックアップされてて、それを渡しとかないとって」



 白雪姫、眠り姫、シンデレラ。学園祭定番のタイトルがいくつか挙がる。



高原 : 「本ができてない。なら配役もまだか。するとまだ彼女にも参加の余地は残されているということだ」

あとり : 「はい! もちろん」

高原 : 「そうかー。そうすると、早めに帰ってこいと連絡はしてあげたほうがいいかもしれないな」

あとり : 「はい。どんなお話なのかとか、知らないと投票のしようもないから…」

高原 : 「それは非常に大事なことだから、電話してみるよ。ええと…」

GM : と言ったところで。トントントン! トントン! とドアを叩く音。

高原 : 「はい」

あとり : ととっとドアのほうに行って、がちゃ。

GM : がちゃ、とあとりがノブを回すが早いか、ドアは向こう側から相当な勢いで押し開かれます。バン!

あとり : 「いたっ」

GM : ドアから飛び込んできたのは宮永です。「支部長!」と呼んで、……よろっとなっちゃったあとりに気づいて「あっ、ごご、ごめんあとりくん!」

高原 : 「宮永さん、何かありましたか!」

GM(宮永) : 「ありました、ありました! あの、」

高原 : 「わかった、すぐに出ます!」

GM(宮永) : 「え!? あ、しぶちょ、」

高原 : ザッとジャケットを着こんで「場所は追って指示してください! 吉田! 出ろ!(駆け出す)」

GM(宮永) : 「しぶッ……」

高原 : 「私が出る!」

GM(宮永) : 「支部長ーー!!」

高原 : もう豆粒くらいになってる。

GM(宮永) : 「しぶちょーーー!!」

高原 : それで私がシーンプレイヤーだからこのシーンは終わ

FZ : 勝手すんな!(笑)

あとり : じゃあ、高原が走ってった先で、エレベーターのドアが既に開いていて、だっと駆け込もうとしたらエレベーターの扉にガーン! ぶつかって。

高原 : 「がッ……(激突)」

あとり : 「(宮永に)あの……これくらいでいいですか。支部長、戻ってきてくださーい……」



 あとりの《天使の絵の具》。閉まっているドアを開いているように見せたのだった。



GM : うまい(笑)

高原 : 「分かった、す……すぐ戻る! ダー(廊下を走って戻るジェスチャー)」

FZ : 吉田が「ぅあーい?」とどっかの部屋から顔を出す。

高原 : 「吉田、しばらく待機だ! すぐ出ることになる!」

FZ : (吉田)「お、おぉ。うーす」バタン。(閉)

GM : 慣れられてる(笑)

高原 : 「(肩をつかんで)で、どこですか宮永さん。街の中ですね?」

GM(宮永) : 「あの、あ、」

高原 : 「事件は! 相手は! 規模は!」

GM(宮永) : 「あのですね」

高原 : 「うん!」

GM : 「あのですね支部長」

高原 : 「うん!」

GM : 「いい知らせ。です」

高原 : 「わかった! 落ち着いて一つずつ話してください! 犠牲者は少ないんだな!」

FZ : あれ!?(笑)

GM(宮永) : 「しぶちょ…」

高原 : 「はい!」

GM(宮永) : 「いい知らせ。いい知らせ。」

高原 : 「いい知らせ! いい知らせにもポジティブないい知らせとネガティブないい知らせがあって!」

FZ : うん!?

高原 : 「私はネガティブないい知らせとしてとらえている!」

全員 : (笑)

高原 : 「犠牲者はいまだゼロ! しかし予断を許さない状況だ! 教えてくれ何が起こっているのかを!」

GM(宮永) : 一本のアンプルをばっ、と鼻先に突き出す。

高原 : 「うっ!? ……ああいや、いま何かケモノ的な反応をしてしまったけれども!」

GM : 猫か!

FZ : (笑)

GM : ガム出された猫か! 狼でしょう君!

高原 : うん、狼だ。わ、私は狼だ! 私は。ケモノ!

FZ : ヒトだよ!(笑)

GM : 日常大事にして(笑)

高原 : ゴリラゴリラ!

GM : ゴリラじゃない!(笑)

高原 : 「……それは?」

GM(宮永) : 「…ついに完成しました!」

高原 : 「何が!」

GM(宮永) : 「――レネゲイドの治療薬です!」

高原 : 「レネゲイドの治りょ、 ……」

あとり : 「――……!!」

GM : ――シーンを終了します。