◆ PC作成とプライズ ◆


 Scene Player ―― None



 2011年10月16日、筆者の従兄にしてTRPG歴24年のMPKお兄さんGMによるシノビガミ。

 シナリオはシノビガミファン界隈で噂の「楽園」とあって、

 PL陣、開始前からわくわくそわそわ。





GM : 今回のPCは、みんな高校生で作ってね。それも、普通の高校生。

PL4 : 「一般人」ですか?

GM : や。忍者の力を持ってるんだけど、忍者の世界のことは知らない。なんか不思議な力が使えるけど、なんだろうって思ってる高校生。

PL3 : ほうほう。

GM : 普通に楽しい高校生活を送っています。そして、舞台は9月30日。文化祭の前日だ。

PL2 : いそがしい!

GM : そう。みんなで大騒ぎしながら準備に精を出す楽しい時間だ。何かしら同じ部活に所属していて、文化祭では出し物をする。だから、何の部活かを決めてもらう。

PL1 : 何がいいだろ。

GM : このシナリオが出た頃は流行の関係でこんなんだった。



 GMが差し出したシナリオの挿絵を覗き込むPLたち。

 ギターを背負った少女たちが手をつないでいる。



PL3 : なんかしょってる!(笑)

PL4 : しょってる!(笑)

PL2 : でも確かに、展示発表よりは舞台か食販系の方が、当日の本番のシーンでドタバタできそうだね。



 担当ハンドアウトを最終的にダイスを振って決め、データを組みながら部活を相談。


PL3 : 生徒会執行部とか。

GM : あ、面白いね。意外。

PL1 : 生徒会って文化祭で何かするの?

PL3 : うちの高校はやってたかな。。

PL2 : マンガだとよくやってますよね。だいたい衣装着る喫茶店か、古典か童話系の演劇か。

PL4 : あー、白雪姫とか。

PL2 : そうそう。



 そんなわけで、ハンドアウトと照らし合わせ、生徒会での役職も相談しながらPCが完成した。




 レギュレーションは以下。

 ・ルールブックは「壱」〜「死」を使用。

 ・階級は中忍。

 ・背景あり。

 ・下位流派あり。(※条件を緩く取り、PC2は弱点「抜け忍」を取ることで「No.9」の流派を許可された)



◆ PC1 … 会計:三好 死織◆

【ハンドアウト】会計:三好 死織
「あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。あなたの【使命】は文化祭を無事終わらせることだ。」

GM : PC1は女の子。

シオリ : 根暗系で行きます。

PL4 : おう!?


 三好 死織  (みよし しおり)
生徒会会計、1年生女子。
分厚い眼鏡にぼさぼさの髪、いまどき外見に気を使わない地味な少女。
秀才。特に数学は学年トップ。その能力が認められ、会計の役職に当選した。
■年齢:16歳 ■性別:女性 ■流派:醜女衆(比良坂機関)
■表の顔:高校生 ■信念:我
■特技:《仕込み》《毒術》《傀儡の術》《経済力》《瞳術》
■忍法:【補給】【操り人形】【触穢】【感情操作】
■背景:【有名】(※功績点は忍具に使用)

GM : 顔とかは?

シオリ : ……見せると殺さなきゃいけないんだけどこれどうしよう。

PL3 : あー!(笑)



 醜女衆の掟。


◆ PC2 … 副会長:陸奥 龍之助◆

【ハンドアウト】副会長:陸奥 龍之助
「あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。あなたの【使命】は自分にとってかけがえのない仲間を守ることだ。」

龍之助 : 会長が真面目な子だそうなので、こっちは軽薄なのにするね。

GM : お。見た目は?

龍之助 : 茶髪でピアスで長身で、体格もそこそこしっかりしてる方。生徒会入る前はバスケ部とかで。女の子好きのベタなチャラ男で行きます。


 陸奥 龍之助 (むつ りゅうのすけ) 
生徒会副会長、3年生男子。
軽い性格で見た目も派手な、会長と正反対のタイプ。
長身の力仕事担当。
女の子が大好きで無数の浮名は立てるものの、決まった彼女はいない。
■年齢:18歳(?) ■性別:男性 ■流派:No.9(ハグレモノ)
■表の顔:高校生 ■信念:我
■特技:《衣装術》《遁走術》《香術》《兵糧術》《結界術》
■忍法:【接近戦攻撃《結界術》】【春香】【かばう】【迷宮】【昔日】(【袋蜘蛛】、【吸精】)
■背景:【情報屋】【抜け忍(隠忍の血統)】

PL4 : 何人の女の子を泣かせることやら。

GM : 確かに情報に強そうだ。ファンの女の子たちの噂話ネットワークかな。

龍之助 : い、一応生徒会は助ける気はあります! だから、「すけ」の字は「助ける」の方にしてみまし

PL4 : 「介」も「たすく」だから大丈夫じゃね?

龍之助 : ……あっ

PL4 : …………

龍之助 : あっ……



◆ PC3 … 生徒会長:秘野森 匿太郎◆

【ハンドアウト】生徒会長:秘野森 匿太郎
「あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。あなたの【使命】は文化祭を成功させることだ。」

秘野森 : ハサミ貸してください。

GM : ハサミ!?



 キャラクターシートに切れ目を入れ、忍法の部分を後ろ側に折る秘野森。

 忍法【学園の七不思議】の効果で、持っている忍法を隠せるのだ。


秘野森 : ……こんなキャラシ初めて見た(写真撮ってる)


 秘野森 匿太郎 (ひのもり とくたろう) 
生徒会長、3年生男子。
外見も内面もいかにも真面目。
1年2年と生徒会に関わり、3年でついに生徒会長になった。
人を使う技術に長け(《用兵術》)、習い事として格闘を嗜む(《骨法術》)
誰ともそれなりに付き合うものの、どこかに「見せていない」部分を感じさせるミステリアスな少年。
■年齢:18歳(高校3年) ■性別:男 ■流派:私立御斎学園
■表の顔:生徒会長 ■信念:我
■特技:《骨法術》《遁走術》《野戦術》《用兵術》《暗号術》
■忍法:【学園の七不思議】(この効果により以下秘匿)
■背景:【身分】【有名】

龍之助 : ビジュアルはどんな感じなの?

秘野森 : 一般人ぽい感じかな。普通に生徒会長として周囲から文句言われないような。

龍之助 : あー、真面目そうな。キバツな部分はない感じ。

秘野森 : そうそう。ただし色んな部分が謎に包まれている。

シオリ : あー。

PL4 : さすがだ、何も分からぬ……一体いくつ秘密を抱えているというのだ秘野森匿太郎……!!

秘野森 : あ、【秘密】はひとつです。

シオリ : ルール的に(笑)





◆ PC4 … :書記:天波 熊野◆

【ハンドアウト】書記:天波 熊野
「あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。あなたの【使命】は同好会メンバーの好きな人が、誰なのかを調べることだ。」

ユヤ : (だみ声で)「天波 熊野(あまなみ ゆや)よ!」腹をパーン!(叩)

シオリ : 腹!?

ユヤ : おかんキャラを目指そうかと思って。

GM : なるほどなるほど! だから体型もそんな感じで。

龍之助 : でも、ちっちゃい。

GM : これ「ゆや」って読むんだ?

ユヤ : はい。

龍之助 : 近代能楽集のあれ?

ユヤ : うん、で、元は能の曲な。

龍之助 : あ、そっか。そうだよね。


天波 熊野 (あまなみ ゆや) 
生徒会書記、2年生女子。
とても小柄でぽっちゃりした体つきの明るい女の子。怒った顔をだれも見たことがない(弱点「感情欠落:怒り」)
お節介で世話焼き、恋に絡む噂話が大好き。
実家は大きな神社で、お金持ち(《経済力》)
■年齢:16歳 ■性別:女性 ■流派:常夜(比良坂機関)
■表の顔:高校生 ■信念:和
■特技:《火術》《遁走術》《遊芸》《経済力》《死霊術》
■忍法:【接近戦攻撃:遊芸】【集団戦攻撃:死霊術】【揺らし】【闇神楽】【補給】
■背景:【社交性】【感情の欠落:怒り】

ユヤ : 「……で、アンタ誰のことが好きなの(目が爛々)」

シオリ : あははは!

GM : 花沢さん的になってきた!

ユヤ : 「あなたの使命は、同好会メンバーが誰のことが好きなのか調べることだ」なのでこういうキャラになりました!

GM : ありがとう、どんなキャラかはっきり分かった(笑)






GM : NPCはあと2人。男子の「水波(みなみ)カオル」と女子の「諸星 真琴(もろぼし まこと)」。

ユヤ : よーし、どんなハンドアウトの話だ?

GMまず水波カオルね。


【ハンドアウト】補佐官(NPC):水波 カオル
あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。
あなたの使命はみんなで楽しい時間を過ごすことだ。

ユヤ : おー、うんうん。

龍之助 : 明るい感じの子っぽいね。

GM : 補佐官だっけ?

秘野森 : です。正式に選挙で選ばれたんじゃないけど手伝ってくれてるメンバー。

龍之助 : ぶっちゃけると、ネタが。

ユヤ : 尽きました。ごめんカオル。

GM : いや、逆にこいつらしいよ。正式メンバーじゃないけど、生徒会が好きでかいがいしく手伝う。




GM : 諸星真琴はこれ。


【ハンドアウト】庶務(NPC):諸星 真琴
あなたは、清陵学園に通う普通の生徒だ。
あなたの使命は早く家に帰ることだ。

シオリ : あはははは!!

ユヤ : いるいる、1人はいそう(笑)

GM : いやほら、9月30日で文化祭直前なのよ。

龍之助 : あーー、遅くなる!

ユヤ : そうだGM、確認していいですか。何サイクル目かで次の日になるとかは意識した方がいいですか? 1サイクルで1日経過?

GM : ……えーっとね、

ユヤ : あ、あ、「言えないよ」っていう時はそれで。

GM : 「言えないよ」(笑)。

ユヤ : 了解です!(笑)




GM : 今回ですね、プライズがあります。

龍之助 : お!?

ユヤ : おお、最初から。

GM : はい。これは最初は誰のものでもありません。プライズ名はですね……「文化祭の思い出」です。

シオリ龍之介:おおー……。


【プライズ】『文化祭の思い出』
このプライズは、文化祭を通じてできるかけがえのない思い出である。いちばん最初に【告白】で選んだ相手と互いに「愛情」の【感情】を結んだ者が、このプライズを獲得する(ただし、複数のキャラクターが同時にその条件を満たした場合、該当者は互いに1D6を振り合い、一番高い目を出した者が、このプライズを獲得する)。このプライズを獲得した者は、その【秘密】を見ることができる。ただし、「情報共有」は発生しない。

秘野森 : 【秘密】持ちのプライズか。

GM : でね。このプライズの【秘密】は、情報判定や情報共有では入手出来ない。

秘野森 : 手に入れなければ読めない。

GM : そう。でも、このプライズを得た人間が、ドラマシーンで「教える」のはありです。

ユヤ : ドラマシーンでそのプライズを「渡す」事によって、受け取った人が読むのはありですか?

GM : 思い出だから、渡すことは出来ないんです。

龍之助 : あ、だから……思い出だから、語ることはできる。

GM : そうそう。

秘野森 : 奪うこともできる。

GM : あはは、そうそう(笑)

ユヤ : (修羅の顔で)その文化祭の思い出を寄越せェ!!

シオリ : あははは(笑)



 獲得条件を確認するPL。


GM : そうだ、今読んでもらってる中に特殊な単語があるから、導入フェイズをやって説明するね。

ユヤ : ん? どれだろう。

シオリ : あ……うん、日本語としての意味は分かるんだけど、このゲームで括弧がついてるのは……どういうことなの?



 シオリPLは【告白】という表記を指している。


GM : そうそう、それ。楽しみにしてて。

龍之助 : おお。おお。

GM : それではいきます。シノビガミ――「楽園」。

PL : はーい!

GM : リミットは4サイクルです。