◆ 導入フェイズ/シーン1 ◆  「闇のうつつは定かなる」


 Scene Player ―― ゲームマスター



GM : 最初はGMが語るね。

シオリ : ここでさっきの言葉が分かるの?

GM : あ、それは次のシーン。ここは思わせぶりなことを言って、先の演出に活かしてもらおうっていうシーンでございます(笑)

龍之助 : 了解!(笑)

GM : 真っ暗い、会社の会議室のような場所ですね。

シオリ : 会社?

龍之助 : のような……

シオリ : 学校ではない?

GM : そう。学校ではない。……灯りは消されていて、カメラワークで人物の首から上だけ映っていない。長いテーブルの奥側についている、ひとりの男。その前に4人の男女がいます。

龍之助 : 4人?

ユヤ : 4人。

GM : 4人の忍者が、上忍に忍務を命じられています。

ユヤ : おお……

GM : 上忍は告げます。



「――月読と名乗る忍者が、護衛の手練れ数十人を倒し、秘伝書を奪った。アレに書かれた恐るべき忍法が完成する前に、月読を倒し、秘伝書を回収するのだ」


ユヤ : 前……に。

GM : という指令を受けて、4人の忍者は散って行きます。

秘野森 : 月読というのは、ハンドアウトは存在しない?

GM : はい。

龍之助 : じゃ、人物欄には書くものではない?

秘野森 : そう。書けないね。



 緊張が走る。

 それは、既に人物欄に書かれたキャラクターの誰かが「月読」であることを意味するからだ。



ユヤ : ……儀式忍法は乱からのルールだよな?

秘野森 : そうだね。

ユヤ : てことは、儀式忍法ではない。

秘野森 : 手順要らない。

龍之助 : 一瞬でパッと使える。

ユヤ : そうそう(笑)

GM : ということですね。

シオリ : 怖!?

龍之助 : 止めっ……止められっ……!?

秘野森 : 止める……!