PC1:“打ち上げ花火” 伊達 康介

 “ファイアワークス” だて こうすけ
 男性 36歳
 カブキ●、ミストレス、トーキー◎
 キャストデータ

 零細映画会社「AXL Pic.(アクセルピクチャーズ)」の映画監督。
 中学生でカメラを手にし、大学で映像を学び、卒業後間もなく復讐物のアクション映画「リベンジ・キャット」で奇跡の大ヒットを飛ばした「元」若手の天才だった。

 ……が、その後、その名声で外部から持ちこまれた映画企画でことごとく失敗。以来十年余り、無難な企業CMなどの映像仕事をこなして細々と食いつなぐだけの彼は、N◎VAに数多居る一発屋のひとりとして忘れ去られつつある。
 あれから13年。映画は、撮っていない。

 その果ての果て、唐突に新作のプロットを思いついたのだが――

★好きな災厄前の映画:「イングロリアス・バスターズ」

PC2:“腐肉漁り” 永倉 高利

 “ハイエナ” ながくら たかとし
 男性 36歳
 カリスマ、エグゼク◎●、レッガー
 キャストデータ

 「アクセルピクチャーズ」のプロデューサー。
 同社のたった一つのヒット作「リベンジ・キャット」の版権を手放さないことから、「一発屋の監督にたかるハイエナ」と業界で嫌われ、陰口を叩かれている。実際、仕事の手法は「やり手」と「あくどい」のボーダー上。13年新作のない映画会社は、彼の腕で今もどうにか存続している。

 監督の、中学時代からの親友。大学で彼が映画を作りはじめてからは、おんぼろ車に二人で乗り込み、津々浦々を撮影旅行に回っていた。

★好きな災厄前の映画:「T-34」

PC3:瀬戸 ハヤテ

 せと はやて
 男性 19歳(?)
 チャクラ◎、クロガネ●、アヤカシ
 キャストデータ

 「アクセルピクチャーズ」のスタッフ。ハンドルもない無名の青年。大道具担当ということになっているが、人手不足のため多岐にわたる雑務をこなしている。
 そして今回、とうとう主演男優までやらされることになってしまった。監督曰く、仕事中に高所から落ちそうになった時の身のこなしの鮮やかさを見てビビッと来た、らしい。

 実は、昔ふたりが乗り回していたおんぼろ車に搭載されていた「WINDS(古いヴィークル制御システム)」の付喪神。車本体はもう動かないが、姿を変えてふたりの傍にいることを選んだ。監督たちに自分の正体は明かしていない。若かったふたりが映画を撮っていた頃の楽しそうな姿をそっと記憶に隠したまま、今日も雑用を続けている。

★好きな災厄前の映画:「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」