◆ オープニング・シーン5 ◆ 「コメディ・オブ・エラーズ」


 Scene Player ―― "打ち上げ花火" 伊達 康介

 Scene Card ―― カリスマ(正位置)



RL(扉の外の少女):「助けてください! 追われています。亡くなった父から、何かあったらあなたを頼るようにと……!」

伊達監督:(アクション、と手振り)

瀬戸(ハリー):『――……(帽子を押さえる手振り)』やれやれと言う感じで歩いていって、扉を少しだけ開けます。

RL:そこには、10代後半と思しき少女が一人立っています。ウェイトレスの制服の上から、サイズの合わないぼろぼろのフェイトコートを羽織り、あわせを胸の前に掻き寄せて、恐怖に強張った泣きそうな顔で震えています。

エルシー

瀬戸ハヤテ:「(オーディション受けに来ていきなりすごいな!?)」ってなってます。

永倉P:目配せで(顔に出すなァ!)と凄みます。w

瀬戸(ハリー):『……入りな』

RL(扉の外の少女):「ありがとうございます、ごめんなさい……!」まろぶように中に入ります。

瀬戸ハヤテ:中に入れながら、これオーディションだと思っているので、カメラ持ってる監督に(これでいいですか!?)って顔します。


伊達監督:オレはそのシチュエーションとヒロインの女の子があまりにもぴったりなんで、目の色変えてプロデューサーに「タカちゃん! タカちゃんこれ最高だよ、最高だよ!?」(カメラを持っていない方の手を永倉に向けて振り回している)

永倉P:しかめっ面して頷きます。


RL:少女は足がもつれて扉のすぐ前でぺたんと座りこんでしまいます。そして、「ハリーさん…… ですよね?」

瀬戸(ハリー):『……なるほど。オレのことはきいてるってわけか(ぎこちない)』

永倉P:それっぽい! それっぽいセリフだけど!w

瀬戸(ハリー):『まずは、そんなところにすわりこんでちゃいけないぜ』(手を伸ばす)

RL:では、少女がおずおずとその手に手を重ねて……


永倉P:「(小声)ちょっとクサすぎねえか!?」

伊達監督:「(小声)これ! これがいいんだよ!」


RL:どこに連れて行こうか、応接室のソファとか?

瀬戸ハヤテ:掴みのシーンはOKかな? と思って、ミーティングルームに連れてっちゃう。

永倉P:連れてっちゃったよ!

伊達監督:それならそのままカメラは止めない。

瀬戸ハヤテ:カメラ止まらないから、(まだ続けるんだ!?)って思って。

瀬戸(ハリー):『……すまないな、用意できているものがあまりなくて。とりあえずそこに座ってくれ』

RL:「はい……」と言われるまま誰もいない会議机の前にぽつーんと座ります。


永倉P:こっちはその隙に社屋の扉に駆け寄って、ガチャガチャッと鍵を閉めてドアスコープを覗きます。

RL:外には武器を持ったレッガーがいっぱいいます。

永倉P:しかめっつら。

伊達監督:カメラはハヤテたちに向けながら「(小声)タカちゃん、どしたの」

永倉P:「いいか」

伊達監督:「うん」

永倉P:「大事なことを伝える」

伊達監督:「うん」

永倉P:「これは。オーディションじゃ ない。」

伊達監督:「……え、じゃ、彼女は?」


瀬戸(ハリー):じゃ、その向けられてるカメラの向こうで。『……さて。話を聞かせてもらおうか。君にいったい何があったのか、君はそもそも誰なのか』

RL(少女):「私は…… その、エルシーと言います」

瀬戸(ハリー):『エルシー』

RL(少女):「(うなずく)エルシー・カーンズ。――なにか、見てはいけないものを見てしまったみたいで、レッガーの人たちが銃を持って追いかけてきて……」

RL:戸外で銃声。「おいコラ出て来い小娘!」


伊達監督:「おおー。いいねえ」

永倉P:「(腕を引っ掴んで)……いいか。全部、リアルだ」


瀬戸(ハリー):(重ねるように)『……大丈夫。ここは安全だ』


伊達監督:「えっ。……あ、……あー!」やっと事実を理解して。

永倉P:「(うなずく)いいか。『撮れ』。もう、時間が。無いんだ。」

伊達監督:「……。(大きく息を吸い込んで)――おう」にやりと獰猛に笑う。


それは、まるで13年前のような笑み。


伊達監督:「こいつはまるで運命の思し召しって奴だな。あの女の子はオレのヒロインのイメージにぴったり。それに見てみろよ、あのレッガーの悪そうな顔。殺し屋の顔だ。たまんねえ。オレのイメージがそのまま現実になったみたいだ」


RL(戸外):「逃げられねぇぞ、餓鬼がァ!」


瀬戸(ハリー):『……聞かせてくれ。君が見てしまったものについて。そして、君がなぜここへ来たのか』

エルシー:「お話、します。その…… あっ、その前に、依頼の」と、ぼろぼろのフェイトコートの懐から依頼料の、

瀬戸(ハリー):すっと手を出してそれを止めます。『それは後でいい。先ずは話を』

エルシー:「……わかりました。亡くなった父は、探偵をしていて…… それで、何かあったらその頃の相棒を頼るようにと、これを」

RL:と、古い写真を一葉取り出します。今どき、アナログの。裏には住所が書いてあって、表側には男が二人写っています。


場所は探偵事務所らしき一室。

ひとりはエルシーに少し似た面影のある男。もう一人はそれより少し背の低い男で、照れたような顔をしている。

ふたりの前のテーブルに、ケーキやワインが並んでいる。

ケーキのチョコプレートには、"Congratulations, Harry!" の文字列。


瀬戸(ハリー):『……ああ。懐かしいな』

永倉P:言っちゃったこいつ!! って思うけど、これでいいんだよな!?w

エルシー:(ぱっと顔を輝かせて)「本当ですか……!」

瀬戸(ハリー):『これは…… そう、俺が独立したあの日の写真だ……』って言いながら心の中で(ってことでいいのかなあ!?)って思ってるw (オレもオーディションされてるのかな!? 台本『アドリブ』のとこだけど!)

エルシー:「父はあなたを、世界の誰より信じた相棒だったと、言っていました。お願いします、助けてください…… ハリーさん!」


RL:その瞬間、ドアをガン! と蹴りつける音がします。「開けろ、小娘!」エルシーは息を飲んで身を縮めます。

RL(レッガー):「ここに入ったのは分かってんだ。何にも知らねえ市民の方に、ご迷惑かけるもんじゃあねえぜ?」


伊達監督:「くあー! 最高だこれ!」監視カメラの映像を確認しながら「イイ画だ……!!」って感動してます。

RL:ではちょうど監視カメラに気づいてぐっと覗き込んで来て、魚眼レンズっぽい映り方になってるレッガー◎は…… こういう感じの男ですね。傍らにはもう一人、カゲ◎の男。(2人の男の画像を出す)

レッガー◎

レッガー◎

カゲ◎

カゲ◎

伊達監督:「うおー! 最高!(ガッツポーズ)」


瀬戸(ハリー):『やれやれ。先ずは“お客さん”と話をしなきゃいけないようだな』すっと後ろを指さして。『君は隠れているんだ』ドアに向かって歩いていきます。



※ゲストイメージ画像

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