Scene Player ―― "腐肉漁り" 永倉 高利
Scene Card ―― イヌ(正位置)
(休憩中の相談へ)
RL:場所は続いて社屋内。監督とPが、ハヤテに状況を伝えるシーンだね。では、エルシーが奥に隠れている間に、ドアの方へと歩いてきたハヤテを。
瀬戸(ハリー):『やれやれ、お客さんk……』
永倉P:玄関横の部屋にガッと引き込みます。
伊達監督:「よォし、カット!」と叫んでダッシュで同じ部屋に駆け込みます。
RL:(笑)では3人のシーン。顔を突き合わせて。
瀬戸ハヤテ:「い、今ので良かったですか?」
伊達監督:「最高! 瀬戸ちゃん最高」
瀬戸ハヤテ:「すごいですね、あんな人どこでスカウトしたんですか?」
2人:「……」
瀬戸ハヤテ:「えっ」
永倉P:「いいか」
瀬戸ハヤテ:「ハイ」
永倉P:「ぜんぶ偶然だ」
瀬戸ハヤテ:「え?」
永倉P:「俺は女優を手配できてないし、オーディションをこんな時間にできるわけねえだろ」
瀬戸ハヤテ:「え、いやなんか永倉さんのことだから何とかしたのかなって……」
永倉P:「今回は全部断られた。いいか」
RL:(戸外)ドンドンドン。ガンガン。
瀬戸ハヤテ:「(ドアを指さして)え、でも」
永倉P:「ありゃ生だ」
瀬戸ハヤテ:「…………」
永倉P:「全部。生だ」
瀬戸ハヤテ:「えっ」
永倉P:「だが、撮る」
伊達監督:「――つまりだ。予算も時間もないここに、ヒロインと、それを狙う悪漢という役者が舞い込んで来たわけだ。役者っていうか本物だけど」
瀬戸ハヤテ:「えっと…… あの、じゃ、元探偵助手で、探偵になった、ハリーさんて言う方が、実在する?」
伊達監督:「その設定はどこまで一緒なのか分からないが、ともかく『ハリー』って名前までは一緒らしいな。ビックリ仰天なことに」
永倉P:「よし。行ける。行けるぞ」
瀬戸ハヤテ:「じゃあその、エルシーさんがヤバいものを見たっていうのも、そのヤバいものっていうのは、プロットじゃなくて」
伊達監督:「(サムズアップ)マジ本物。」
瀬戸ハヤテ:「なに見たんですか彼女!?」
伊達監督:「彼女はそうしてピンチになって、命が危ういかもしれない状況で、ここに逃げこんできたわけだ」
瀬戸ハヤテ:「むしろこの事務所がピンチなんじゃないでしょうか」
永倉P:「だから、まずここから脱出する。彼女を連れて」
伊達監督:横でデータを確認しながら「おー、なかなかいい画が撮れてるぞ」
永倉P:「……いいか。このまま撮りきるからな」
伊達監督:「ちなみに瀬戸ちゃんさ、結構ガタイいいけど、アクションてやったことある?」
瀬戸ハヤテ:「あんまりないですけど、運動はできる方です」
RL:できるどころじゃないww
具体的には〈運動〉達成値+6。
伊達監督:「よし。じゃあ…… いけそうだな」
永倉P:「いけそう、じゃねえ。やるしかねえんだ。いいか、時間もねえし。彼女は追われてるし」
伊達監督:「もう後がねえ。ここで撮り損ねたら、オレらアクセルピクチャーズは」
永倉P:「終わりだ」
伊達監督:「つう訳で。プロット通りだと、ここで一旦ヒロインと逃げるわけだが」
RL:という言葉が出たその時。凄むような声で「逃げこんだつもりだろうが、袋のネズミって知ってるか?」
伊達・永倉:「……!」
瀬戸(ハリー):『――おいおい、何か勘違いをしているんじゃあないか?』
永倉P:「(撮れ、と手振り)」
伊達監督:「(カメラを向ける)」
瀬戸(ハリー):『ここは、この街の“探偵事務所”だぜ』
永倉P:外に「AXL Pic.」って看板テカテカ光ってるけども。
RL:あの写真の裏の住所も、スペルは似てるけど全然違う場所だけども。
永倉P:なんでここ来ちゃったんだよ!?
RL:スペル似てるから間違えたんだよ!
RL:(レッガー)「ははーん、家主さんは探偵ってわけか。しかしよォ、探偵さん。探偵さんってのは荒事が仕事じゃねえよなァ。見も知らねえガキのために、命張るこたあねえだろう?」
瀬戸(ハリー):『人探しの依頼かい? だったら話を聞いてもいいと思っているんだが?』
RL:「(声が低くなる)……舐めやがって。この事務所ごと吹っ飛ばしたっていいんだぜ」ガチャガチャッ、と火器を構える音。
永倉P:「……!」
伊達監督:「いいね、いいねえ!」
RL:というわけで、次のリサーチフェイズ最初のシーンはこんな感じです。
RL、フォーカスシステムシート「危機一髪の脱出シーン」を広げる。
永倉P:いきなり!!?
RL:はい。それから、シナリオルール「MP」の適用により、オープニング終了のこの時点で、SPS「映画を撮る」が発生します。
3人は頷きあう。