◆ リサーチフェイズ:シーン12 ◆ 「お気に召さずば、ただ夢を」


 Scene Player ―― “腐肉漁り”永倉 高利

 Scene Card ―― トーキー(逆位置)



RL:シーンプレイヤーは、キーワード【顔のない男の過去】を手に入れたキャスト、永倉プロデューサー。

永倉P:うっす。

RL:それと、エルシーと一緒にいるキャストに登場要請。ハヤテかな。

瀬戸ハヤテ:はい。

RL:ハヤテとエルシーが探偵事務所を出て、イエローエリアの通りを歩いているあたり。

永倉P:少し離れて付いていってる。

RL:了解です。エルシーはあの写真、「Congratulations, Harry!」と書かれたケーキと父と相棒の映っている写真と、二階の事務所跡を見比べてから歩き出します。

瀬戸ハヤテ:こっちは片手にさっきのワインの瓶を持っている状態。

RL:後方の永倉プロデューサー。キーワードに辿り着いた瞬間、あなたのポケットロン…… セクレタリに不正なアクセスがあります。

永倉P:「ん……?」

RL:相手方から勝手に通話が来ます。


RL:(カゲ◎=【ジョシュ】の声)「警告だ。その娘を引き渡せ」

永倉P:「(黙ったまま眉根に皺を寄せる)」

ジョシュ:「何もする必要はない。お前とその探偵が、数秒娘から離れるだけでいい。一撃で仕留めてやる。何とでも騙してその場に置いて行け。人を騙すのはお手のものだろう? 映画屋さんよ」

永倉P:「……ハハハ」

ジョシュ:「? 何だ」

永倉P:「いや。悪いな。“撮影中だ”」

ジョシュ:「――。(舌打ち)いかれてやがる。どういうことだ」

永倉P:「そういうことだよ。ありがとな、協力してくれて」

ジョシュ:「ただの映画の撮影なら、なぜ俺たちのことを嗅ぎまわる」

永倉P:「そりゃ、映画にはリアリティが必要だからな」

瀬戸(ハリー):『どうした、タカ』

永倉P:「いえ、先生。……どうも、面白くなってきましたぜ」

ジョシュ:もう一度舌打ちが聞こえる。「あまり舐めた真似をしてると、そろそろその娘だけじゃなく、お前たちも消さなけりゃぁならなくなる」

永倉P:「おう。狙うなら全員狙え。画が面白くなんねえだろうが」

ジョシュ:「……お望みどおりにしてやろう」


RL:永倉のすぐ後方に、ざわっと殺気が発生します。

瀬戸ハヤテ:おっ。

RL:道行く人々に紛れていたレッガートループが、永倉プロデューサーの後ろに。――ということで、ほっとくとここで、次のシーンで戦闘のカット進行に入ります。


伊達監督:うおー、たまんねえ! じゃ、このシーンの舞台裏で【殺された男】を調べます。〈芸術:映像芸術関連〉っていう指定、〈映像:アレンジ〉はいける?

RL:いけます!



★舞台裏

伊達監督が【殺された男】の情報収集判定に成功。

【殺された男】

〈社会:メディア、企業〉〈芸術:(映像芸術関連)〉

11:
元映画監督。70代の老人。たった一度のヒット作の後、鳴かず飛ばずのまま引退して数十年が経っていた。

15:
CME映画部門の専門評議員としてスカウトされ、明日の朝、正式な契約を結んで社に入ることになっていた。
声を掛けたのは千早冴子。
招聘という扱いで、入社後はそこそこの権限が与えられる予定だった。スパイがその立場に入りこめば、ライバル社に致命的な情報を流してしまうことが可能だろう。

17:
明日の朝6時に、CME側のエージェントと会う予定だった。
早すぎる時間指定は、明け方の光のもとで撮るシーンが好きだという彼からのものだったらしい。

〈社会:メディア〉18の判定に成功すると、エージェントとの約束の場所のアドレスを手に入れることができる。この判定は情報収集判定として扱う。


伊達監督:ライバル社。ゴールデンドラゴンピクチャーズか!

RL:という情報をまず監督がひとり気づいたところで、カット進行に入ります!