Scene Player ―― “打ち上げ花火”伊達 康介
Scene Card ―― チャクラ(正位置)
RL:シーンプレイヤーは伊達監督。ハヤテは被写体の立場で。場所は寂れた屋上庭園、動かなくなって久しい遊具がぽつりぽつりと散在している。かつての賑やかさは見る影もないけれど、この街の夜明け前を見渡すのに絶好のロケーションであることは間違いないでしょう。では監督、どういうふうに画面を撮っていくかという形で進めて行ってください。
伊達監督:了解。まず屋上庭園の茂みとか、放棄された遊具だとかの陰にカメラを仕掛けて行く。全部で15台。このカメラでシーンを繋ぐつもりでいる。
RL:OKです。時刻は6時前。
永倉P:人影はまばら(トループ「エキストラの皆さん」)。
RL:太陽を待つ時間の、霞がかった暗いラベンダー色が東の空半分を染めています。
瀬戸(ハリー):『すまないな。コウはどうしてもオレ達の活躍が撮りたいらしい』
エルシー:「わかりました」
瀬戸(ハリー):『あまり意識はしなくていい』と言いつつ、自分は各所のカメラによく映る角度はって頑張って考えてるw
RL:了解w
エルシー:「大丈夫です。皆さんを」とトループとは知らずに見回して、「びっくりさせ過ぎないためですもんね」
伊達監督:「頼むぜ、来てくれよウェストワードさんよ。これでアンタ達が来なかったら……」
永倉P:「完全にこっちの都合だな」
伊達監督:「おう、間に合わねえんだもん試写に」
RL:試写に、という言葉の直後に声がします。
ウェストワード:「これが最後の警告だ。娘を置いて消えろ」小さなメリーゴーランドの後ろから柄の悪い長身の男が現れる。「そんで、全部忘れろ。そうすりゃ生かしておいてやる」
伊達監督:「待ってたぜーー!!(両手を広げる)」
ウェストワード:「!?」
RL:ウェストワードの傍らにジョシュ、その後ろにレッガーとカブトワリのトループが現れます。
瀬戸(ハリー):『随分と紳士的なことじゃないか、ウェストワード』
ウェストワード:「面白いこと言うねえ、お前」
瀬戸(ハリー):『やろうと思えば、お前のその銃で俺達を貫くことも出来たはずだ。だが、こうして話をしに来てくれている』
ウェストワード:「そりゃそうさ。そろそろ気づいてくれるかと思ってんだよ。オレは期待してんだよ探偵さん、アンタにさァ」
瀬戸(ハリー):『……』
ウェストワード:「小娘ひとり庇い立てして何になる。正義の味方気取りか? やめとけやめとけ、映画みたいな下らねぇこたぁ」
瀬戸(ハリー):『なるほど。外国出身か?』
ウェストワード:「あん?」
瀬戸(ハリー):『N◎VAの街を知らないのか』
ウェストワード:「何の話だ」
瀬戸(ハリー):『N◎VAの街のフェイトは、みんな正義の味方なんだ』
ウェストワード:「初耳だ。いや、耳にはしたな。何度も何度も耳にはした」
瀬戸(ハリー):『ああ。N◎VAの人々は困った時にはフェイトを頼る。探偵事務所の扉を叩き、助けてくれと駆け込んでくる』
ウェストワード:「フェイトが最後まで正義の味方でいられるのはニューロデッキの中だけだ。どいつもこいつも最後には、この銃弾の前にひれ伏した」
瀬戸(ハリー):『その銃は本当にフェイトに向いたことがあるのか?』
ウェストワード:「何だと?」
瀬戸(ハリー):『こう言い換えるべきか。――お前は、本物のフェイトを知っているのか?』
ウェストワード:「言うじゃねえか。……よーし、よし、よし」
AKR48の銃口が、エルシーの前に立つ“ハリー・バーリィ”に突きつけられる。
ウェストワード:「俺が今ここで初めて本物のフェイトに会えたのかどうか。確かめさせてもらおうじゃねえか!」
RLはカット進行を宣言。戦闘が開始された。
ウェストワードが手を叩き、腹を抱えて大笑いする。