◆ エンディング:シーン25 ◆ 「マジック・アワー」


 Scene Player ―― “腐肉漁り”永倉 高利

 Scene Card ―― シキガミ(正位置)



千早冴子:「今回の件は本当にありがとうございました」

永倉P:「いえ。物のついでですよ、物のついで」

千早冴子:「こんな大騒ぎが物のついでだなんて、さすがです。――CMEの中でも、音楽以外の部門はまだまだ新しい。存在感を高めるべく新しい企画も多く動いていて、産業スパイに入り込まれるのは大いに避けたい時期でした」

永倉P:「お疲れさまです」

千早冴子:「映画への奨励金ではないですが、お約束のゴールドは振りこませて頂きます」

永倉P:「ぃよっし!」

千早冴子:「(笑って)――撮影に注ぎ込むのは、ほどほどに」


千早冴子:「御社の映画、心から楽しみにしています」

永倉P:「はい。必ず試写には間に合わせますんで」

千早冴子:「その答えが欲しかった。……それから、これは余計な話ですが」


千早冴子が、マジック・アワーの空を見遣る。


千早冴子:「――入社予定だった監督には、実はここ数カ月、先ずは外部の立場からということで色々と助言をお願いしていたのです。永倉さん、あなたのプレゼンを、あなたたちの映画の可能性を、一番強く推したのは、彼でした」

永倉P:「――……。そりゃあ、……惜しい人を失くしましたね」

千早冴子:「ええ、……とても。ご遺影は、私がこの手で試写にお連れしますので。映画、心から楽しみにしています」