▼ Part.C − 第1ラウンド
GM : では、セットアップ。こちらは何も使いません。
高原 : 《フルパワーアタック》。行動値が0に。むきむきむきむき。
GM : 了解。
高原 : ……ふ、《フルパワーアタック》ってどういうエフェクトだったか確認するね。
FZ : むきむきむきじゃねえ(笑)
GM : 音だけ……(笑)
高原 : “全身の力を集約した構えから一撃で大ダメージを与えるエフェクト”。……じゃ、クラウチングスタイルのようにザッと膝をついて……ぐぐぐぐっと構える。一個の弾丸として飛び出せるように。
GM : ふんふん。……まだその身体は獣に変化してはいないけれども、すでに動きは半ば人間ではない。こちらからは、使う技能はありません。演出だけ。中央の柱のてっぺん、汐がぼんやりとした瞳で月を見上げて、……
GM(汐) : 「“……もう、さようなら、サンタマリア”」
GM : 風に乗って、そのかすかな声が聞こえてくる。……引用した言葉でしか話せない。それが彼女の[心の壁]。
高原 : おおおお。ほんとにPCと同じ作り方で作ってる。
GM : それでは、最初のイニシアチブフェイズ。誰か……
あとり : [Dロイス:触媒]。
GM : うわ、いきなりか!
あとり : 魔眼の重力が、ぐっ! ……と、クラウチングスタートの姿勢の高原の身体を前へと引っ張る。
高原 : ぐっ、とその重力に乗るようにして。
あとり : 魔眼がそのままフライ・バイの要領で高原の身体を加速し、前へと押しやる。
GM : 同時に高原の身体の中で、レネゲイドがカッと熱を帯びるような感覚。
GM : では、高原のメインプロセスが発生。
高原 : 重力に合わせて、地を蹴り……空中でその身体が狼のものに変形していく。
GM : 空を舞う身体。月光の前景となって、シルエットのまま。高原の姿が変化して、月を横切る。
高原 : うん、……あ。私もしや魔眼関係ないほう飛んじゃった?
あとり : 重力で思い切り上に引っ張って、ぐるんっと魔眼の周りを一周させて、前方へ。
高原 : よし、それなら加速つく! ……天に向かって狼のシルエットが口を開けて、同時に、握り拳の中指の中手骨あたりから、ゴキゴキゴキッと角のような長い……角なんだけど、生えてくる。
FZ : あれ、さっき爪伸ばしたのはどうしたの。
高原 : 爪は伸びてきちゃうだけで、それはそれとして握りこんで、こっから角が生えてくる。
FZ : 爪握りこんだら痛くね?
高原 : 握りこんだら割れるから。バキン!
GM : いだい!
FZ : いだい!
高原 : でも興奮状態だからむしろそれが気持ちいいみたいな。
GM : えええ!
高原 : 戦ってる最中そんなもんだって! むしろそういうのがちょっと気持ちよくなってきちゃうんだって! という持論なんだけど!
プレイヤー、リアル[闘争]衝動疑惑。
高原 : こう、5m届くツノ……5m!? なっげ!
FZ : なっがい!(笑)
高原 : マイナーアクション。《一角鬼》+《ハンティングスタイル》+《セントールの脚》+《完全獣化》。正確には、《セントールの脚》を適用してから《ハンティングスタイル》を適用。
GM : ん。“順番が必要な場合、使用者の任意の順番で適用”。
FZ : 侵蝕値は。
高原 : これでこの後12上がる。「全力で行くしかない。持久戦はできない。そして……時間も無い」
FZ : 「そうだな」
GM : おおお。
高原 : 「内海くん。ずっと、探していた。……今行く」
高原 : 空中で身を翻して……15mだよね?
GM : うん。
高原 : 《セントールの脚》で[戦闘移動]が+10mされて、行動値0で元が5mだけれど15m移動。
GM : お、おおおおっ! ジャストかっ!
あとり : ぴったり。
高原 : 超えててよかった100%!
あとり : 超えてなかったら厳しかった?
高原 : 超えてなかったら10mだった。……メジャーアクション。ぐっ、と狼な感じの上半身、腰をひねって、身体を振り絞って。「――行くぞ、内海くん!」
GM : うん。
高原 : 「わ!」
高原 : 「た!」
高原 : 「し!」
高原 : 「パーーーーーーンチ!!」
GM : ……ええええ!
あとり : あ〜……
FZ : バカ! バカ!!
GM : この期に及んでそのコンボ名!!
FZ : せつめいしよう。わたしぱんちとは。(棒読)
高原 : 私パンチとは!
◆コンボ“私パンチ”
〈白兵〉+《コンセントレイト : キュマイラ》+《鬼の一撃》
高原 : ……というシンプルなパンチだ!!
あとり : ほんとだ!
FZ : シンプルだなおい。
GM : ここまで演出しておいて何の因果で私パンチか!?
高原 : 侵蝕値上昇はたったの4点でとってもリーズナブル!
FZ : その前に12点上がっただろうがよ。
GM : マイナーアクションでもエフェクト組み合わせられるって怖いね……。
高原 : ドッ! と鉄骨に角が突き立つ!
あとり : かどうかは判定次第。
高原 : 突き立つ!!
FZ : 振って!(笑)
高原 : 基本6Dの、侵蝕値で3個加わって、《完全獣化》で……
GM : 鋼鉄の大樹の根方に、狼の獣人が飛び込む!
FZ : 今まさに私パンチが突き刺さらんとす。
GM : ……うん、そうだね。
高原 : ……うん。ごめん。……クリティカル値7。せいっ! 10……20……30……1。止まった。31に〈白兵〉足して……。
FZ : 《妖精の手》。1のダイス目を10にする。
GM : お、おう!
高原 : 31で止まったのが、40になった?
FZ : うん。で、そのダイスもクリティカルだから、さらに振り足せる。
GM : ダイスを引っくり返す技!
高原 : 40……50……
GM : うわわ!
あとり : よし、回った回った。
高原 : 妖精の手に助けられるようにして……ゾーンが動くの?
FZ : そう。私の支部長……違う! 噛んだ! 私の“領域”だ。領域が……
高原 : 三郎って呼んでいいか?
FZ : 黙れ! ……領域がギャッ! と支部長の足下まで移動して、
GM : 直径は5mのまま?
FZ : 5mのまま移動して、止まろうとした支部長の拳をさらに後ろから、何かがぐッと後押しする。
高原 : ……技能を足して62!
GM : えっと!? ……では、ふたりの力に背中を押されて。こっちは〈回避〉……21。
高原 : 角が撃ち込まれてめり込んでいく。ダメージ出すぞ。
GM : 来いっ。
高原 : 私パーンチ!(ダイスを振る)
FZ : たっけ!
GM : 高い! なんだその目!
高原 : 7Dで目が52。
GM : おかしいよ!?
高原 : 攻撃力足して……89点。
あとり : ごん。
GM : りょ、了解! 《隆起する大地》で8点軽減。81点喰らいます。
あとり : 装甲値ある?
GM : ない。剥き出し。……では。深く深く、高原の手から生え出た角が突き刺さる。硬い金属にそうしたようにはとても見えない、柔らかな本物の生木を貫いたかのようにしか。
FZ : 「相変わらず……たいした破壊力だ」
GM : それを、こちらの《隆起する大地》は……下のほうから、ステンレスワイヤーがこの柱をぐるぐるぐるっ、と巻き上げて補強し、突き刺さる角を押し止めようとする感じ。ギギギッ、と。
高原 : 貫通はしきらずに途中で角が止まって、そこから、半ば一部を引きちぎるようにして抉りながらぐッと抜く。
GM : 即席で作られた金属の樹皮が引きちぎられて、そこから上に巻き付いていたステンレスワイヤーがパッと散る。スパイラルの直径がゆるんで、フラフープのようにぱらぱらと落下する。
高原 : 「君は、できる子だった。殴るのはこれが初めてだね。……内海くん」
GM : 答えは、ない。彼女に既に声はない。……では、
あとり : つぎ私。
GM : え、あ、ほんとだ!
あとり : マイナーアクション。戦闘移動。22mほど移動できます。
高原 : すっげえ移動する!
FZ : すごいなあ。
あとり : ふわっ、と魔眼の力で体を少しだけ持ち上げて……あ、演出だけね。[飛行状態]にはなれない。左手前の角っこまで移動します。そして、一瞬その角っこ一帯の部分が、真っ暗になって見えなくなる。
GM : お。
あとり : そのあたりの光を一点に集めて、レーザーとして撃ち放つ。
GM : おおおっ。“光芒一閃(ブライト・ナイト)”!
あとり : 対象は鞠。
◆コンボ“ヘル・アンド・ヘヴン”
〈RC〉+《コンセントレイト : エンジェルハイロウ》+《光の弓》+《黒の鉄槌》+《光の手》
GM : では。魔眼に吊るされた操り人形のように、ふわっ、と彼女の軽い身体が移動して……術前術後衣ひとつなんだよね。
あとり : うん。せっかく買った[UGNボディスーツ]着てない(笑)[強化服]も。
GM : (笑)……はたはたはたっ、と薄青い裾がはためく。
あとり : クリティカル値7ね。……29。
GM : 〈回避〉。
FZ : 避けられるかもな。
GM : ほみゃー! ……19。
あとり : では、収束した光が襲って……ダメージ。35。
GM : いだい! では、ほどけかけていたワイヤーの螺旋を、レーザーが撃ち貫く。ジャッ、とその部分が真っ赤に光って、高原の狼の顔がカッと明るく照らし出される。
高原 : 漫画チックに、白と黒ベタみたいな感じで。
FZ : あー。
GM : いいね。いいけど痛い。とても痛い。……次のイニシアチブ動く人。こちらは挙手。
あとり : はーい。
GM : こ、怖い! でもそっちのが早い! どうぞ!
あとり : どうせ喰らったらHP吹っ飛ぶんだから行っとこう。《時間凍結》。
高原 : というのは?
あとり : バロール80%技。イニシアチブに宣言して、1回メインプロセスを行う。
GM : えう! ……ねえ、このこやっぱり優秀だよ、失っちゃダメだよ(笑)
高原 : うん……(笑)
FZ : その後HP20減るから、それで死なないうちに使っとけって話だな。
あとり : ハイ。……鞠の、というか全員か、動きがゆっくりになる中、
高原 : じゃあ、花京院ばりにビタッて止まる。
FZ : ……え、死ぬ方?
あとり : そして、時間が止まっている中、光だけを魔眼で無理矢理引き寄せ、再び押し出す。
GM : うあー。
あとり : 組み合わせは同じ。達成値。……また29。
GM : 避けらんないよー。がんばるよー。3回回すよ。……だめだった。
あとり : ダメージは……27。
高原 : ちまっと削られるには嫌な値。
GM : うん。いだい……
あとり : ここでメインプロセス終了。こちらのHPが20点減少。
GM : だいじょうぶ!?
あとり : 高原が、一瞬で2倍眩しくなる。
GM : 目の前に、赤い点が灯った……と思ったら、ふたつに増えて、カッ!
高原 : 「光が……前の光に追いついた!?」
GM : なんて!?
FZ : 「うーん、何が起こっているかまったく分からない……」
高原 : フェイタルゾーーン!
あとり : 「ふぅ……」
GM : 後方で、あとりがひとつ息をつく。……再びイニシアチブフェイズ。こちらから《加速する刻》。
高原 : 何がどれくらい加速するの?
FZ : [イニシアチブプロセス]に[メインプロセス]を行うの。
高原 : あんたも!? ……あ、エネミーエフェクトか!
GM : うん。……えっと、あとりがHPにダメージ受けたのって、見て分かるんだよね?
あとり : うん。
GM : では、対象はあとり。
◆ コンボ“神怪(くすし)き魔歌(まがうた)”
マイナーアクション : 《絶対の空間》
メジャーアクション : 〈RC〉+《コンセントレイト : オルクス》+《砂の刃》+《ナーブジャック》
FZ : 《ナーブジャック》!?
高原 : 《ナーブジャック》?
FZ : 相手を操る。
高原 : かっけー!
ピンチですぞ。
GM : (ダイスを持つ)では、
あとり : 《時の棺》。
GM : うわっ!? ……お、おう! あ、判定直前に宣言しなくちゃいけないんだっけ。
あとり : そう。『加速する』刻を『止める』。
GM : ふあー! 時止め合戦! ちがう、止めてんのあとりだけだ(笑)では、鉄筋が地中から飛び出して――射撃攻撃だから――あとりに向かってその先端が飛びかかり、突き刺さろうとしたところを、
あとり : 「(右手を顔の高さに上げて)……“普通”に、ね」
高原 : 刻が……加速……しない!
GM : おおおっ。
あとり : そして普通にあなたの番。
GM : あ、ああ。そうだね。あばばばば、どうしよう。次はフェイタルゾーン……いや、中心に飛び込んできてる高原だな。
高原 : 私を動かしてどうするつもりだ! できることは何もないぞ。
FZ : そんなことあるか! 一番怖いわ!(笑)
GM : 組み合わせは同じ。“神怪き魔歌”。
高原 : 当たると痛くて、操られる。
GM : そう。
高原 : ……おう。おう。(焦)
あとり : 対決は〈回避〉か〈意志〉。
GM : とりあえず、判定直前に言うものはないね? 振るよ。……46に〈RC〉を足して。51。
高原 : 51ね。……(考える)
GM : う、うん?
高原 : ……これだろう。《復讐の刃》! [リアクション]放棄。
GM : うぁっ! 了解!
高原 : 厳密に言うと、《ナーブジャック》は喰らっているから、動かされながら殴ることになるんだけど。対策はひとつ考えてある……判定前に確認しておいたほうがいいかな。
GM : おう。
高原 : タイタスの効果に、“あらゆる不利な効果を消す”っていうのがあるんだけれど。“バッドステータス、ダイスを減らす効果など”と説明が続いて、“どこまで適用されるかはGMが決定”ってなってるのね。《ナーブジャック》の“動かされる”効果は、一瞬のことだから“受けている効果”かどうかちょっと微妙かもしれないんだけど、どうだろう。消せるかな。
FZ : “どこまで適用されるかはGMが決定してよい”だから、ここはどう判断してもいいと思う。
GM : むむむ。でも、タイタスまで使うなら、これはいいんじゃないかな。じゃあ、まずお互いダメージだ。
高原 : こちらの攻撃の達成値は31。
GM : こっちからのダメージは42。
高原 : ……えっと、それだと、[戦闘不能]からの回復にタイタスを使うことになるから、残りロイスの数的に…
FZ : 次の行動で私が起こせる。《覚醒の電光》で。……[戦闘不能]だと、クリンナップの汐ダメージで死ぬ?
GM : いや、とどめをさすって言わないダメージでは死なない。
高原 : フェイタルゾーンの戦闘移動距離は届く?
FZ : 19m。《サイバーレッグ》。
GM : ここで活きたかっ!
高原 : じゃあ、いいんだ! 渡辺がいる! ……のを確認して、ダメージを受け、[戦闘不能]にはなり、同時にメジャーアクションを行わされようとするのをタイタスで打ち消す!
GM : では、跳ね上がった1本のワイヤーが、
高原 : 正面、犬ヅラの眉間の所を。
GM : ドッ! と突き立って潜り込む。
FZ : いだい……
GM : それが何か頭の中に信号を送り込んできたのを……
高原 : がしっ、とそのワイヤーをつかんで……「……それは、駄目だ。それだけは持って行かせない。あの人にとって、あの人の痛みがあの人だけのものだったように、……これは、私のものだ」ズルッとワイヤーを引き抜いて、けれど他の《砂の刃》的なもので、
GM : そうだね。ヘビのようにうねる鉄筋が周辺からドドドッと身体に突き立つ。
高原 : 「なるほど、これは……辛いかもしれない」
FZ : 「……支部長」
高原 : 「彼に……休暇の手配を頼む」宮永洋平のタイタスを昇華。不利な効果としてナーブジャックで動かされることを無効化。[戦闘不能]になるけれど、鉄筋に貫かれて倒れこむ形にはならず、……一度、こう、蛙に電気を流した時みたいに、バン! と片腕が跳ね上がって、それが柱に突き立つ。
FZ : 《復讐の刃》!
高原 : ダメージは……66。こちらは[戦闘不能]。
GM : 66か。こちらは、ギリ、残りました。
高原 : うぉぉぉっ!
GM : こちらも今の一撃で、柱の下方の一箇所が大きくくの字に曲がる。巻きついたまま何箇所も分断されたワイヤーが、ぱら、ぱらと落下する。汐は不思議なバランスを取ってその上に立っている。鞠の行動の終了後、イニシアチブフェイズです。こちらはエフェクトの使用を宣言。
FZ : なんだと。
GM : 《加速する刻II》。
FZ : なんだと!
GM : マイナーアクションは、してもいいけど関係ないな。メジャーアクション。[エグゾーストロイス : 飢えの淵]。
高原 : 「……飢餓衝動……!」
GM : 高原の身体を貫いている鉄筋。それが、ギリギリ……と軋み、伸び、うねり、蛸の足が絡みつくかのように締め上げて、――ズルッ、と。海中に引き込むかのように彼を取り込みます。
高原 : 大地の底に引きずり込まれながら、狼のような咆哮を上げかけるんだけど、それも呑まれて消えてゆく。
FZ : 「支部、長……!!」ちょ、ノリノリで演出してる場合か!(笑)
GM : 位置的には、この中だね。鞠の中だから、中央の柱。柱の真下に取り込まれた感じ。
あとり : 効果は見ていい?
GM : はい。見てください。上級ルールブック137ページ。
高原 : ……嬉嬉として演出したけど知らないんだよね効果。
GM : こらーー!! この天羅プレイヤー!!
負けロールに嬉嬉とする人は天羅プレイヤーと呼ばれています。
FZ : 対象を取り込む……その間ダイスを+2個。対象は使用者の移動と一緒に移動、GMは任意にこのEロイスの効果を解除する条件を作成してもよい……しなくてもよい。解除されない!
GM : 作成してあるよ!(笑)だいじょぶだよ!
高原 : “対象がエキストラ以外の場合、戦闘不能またはこの効果に同意していなければならない”。“取り込まれた対象はGMが特別に許可しないかぎりあらゆる行動が行えず、あらゆる効果の対象にならない”……“解除されずに使用者が死亡した場合、取り込まれた対象もまた死亡するとしてもよい”?
GM : はい。します。
高原 : 死亡します!
FZ : なんで嬉しそうなんだよ!
高原 : そんな、やだな、思ってませんよそんなこと!(笑)
あとり : 一応ルール領域での確認をしとこう。タイタスの昇華による不利な効果の解除には?
FZ : GM判断。
GM : これはちょっと入らないとしておこう。
高原 : 神業みたいなものだしなあ。
FZ : 条件を頑張って探そう。
GM : ……GMからのヒントが出るタイミングは設定してあるんだけど、ごめんね、予想外の高速戦闘になりすぎてて、まだそこに至ってないのね。ないわけじゃないから安心してね。
FZ : OK、OK(笑)
GM : 次のイニシアチブ……では“塔の上の姫君(ラパンゼル)”の行動。彼女は歪んだ柱の上で、ふわふわと揺れながら立っている。あなたたちのほうを見ていない、そのまま。
GM(汐) : 「“ええ、さよならです。サンタマリア”」
GM : ふっ、と頭が後方に揺れて、……落ちるかと思った瞬間、長い三つ編みがヒュッと前方へ回り込む。編まれていない先端の部分が不意に伸びて……
◆コンボ“ゴルゴンの末妹”
マイナーアクション:《骨の剣》
メジャーアクション:〈白兵〉+《コンセントレイト : エグザイル》+《爪剣》+《伸縮腕》+《貪欲なる拳》+《貫きの腕》+《異形の祭典》
FZ : カーニバル! カーニバル! ……異形カーニバルはどんな技だっけか。
GM : 対象が増えます。
FZ : えっ。
あとり : [LV+1]体。
GM : うん。で、《伸縮腕》で届くので……対象はあとり、フェイタルゾーン。
FZ : エグザイルだよなあ。壁歩いたもんな(笑)
GM : 三つ編みの先端が触手のようにギャッ、と伸びてきて、ふたりに突き刺さる。
FZ : 《異形の祭典》で攻撃力−10か。とはいえ対抗種だもんな。《爪剣》で[ドッジ]のダイスが−1個。
GM : (ダイスを振る)あれ、少ないな。2回目……あ、7いっこあった。クリティカル……
FZ : その7のダイスに《支配の領域》! ダイス1個の目を1に変える。
GM : うわ!
FZ : さっき支部長の所に移動していた私の領域が、まっすぐに柱の上にのぼって、
高原 : エレベーターみたいな感じか。
FZ : 「……待て。“塔の上の姫君(ラパンゼル)”。お前を助けに、王子が来たぞ」
GM(汐) : 「…………」
GM : ……彼女が、ふわっ、と。はじめて、君を見た。
FZ : お……?
GM : って、ダイス11止まりか! 達成値17。うわ、20に届かない! ダメージ通らなくなったかも!
あとり : とはいえ、回避できれば御の字! ……うーん出ない、8!
FZ : こういう時に[組織の助力]残しておきたかったんだがな……!
GM : でも、あの捜索関連の判定うまくいかないと、ダムで対決になってた。汐は手遅れになってたかな。
高原 : 『15分』か。怖え……
GM : ダメージは……[対抗種]の2D10を加えて……23から10引いて、13。……えええ!?
FZ : [UGNボディアーマー]で8点止めて……5点。生きた。
あとり : −8。
GM : アーマー無しか! うぅ、ここは、
あとり : 被検体になったペナルティだな。……とはいえ、倒れたら終わる。タイタスで……
FZ : 直後に私の行動があるぞ?
あとり : 《覚醒の電光》だと、復帰後のHPが1だから、クリンナップの1D10ダメージでやられる。タイタスなら【肉体】+10点で回復だから、それでは倒れない。
GM : OK。では、触手のように伸びていった髪が……ふたりの首と腕に、糸として巻きつこう。ひと筋ひと筋が絡みついて、ぐッと締め上げる。汐を見上げたフェイタルゾーンの首にも、きりきりきり、と。
FZ : “塔の上の……姫君”……!
GM : 月を頭上に、ふうわりと、あなたを目で追っている。……あとりは時を操る負荷で弱っていたところを締め上げられて一度意識を失う。そして、
あとり : 魔眼が、溜めていた光を一気に放出して、髪を焼き切る。
GM : おおおっ。では、髪の途中が焼き切られて、力を失った先端が君の首からぱらぱらと落ちる。
あとり : 「……助けられるかな」
あとり : 鞠へのタイタスを昇華。HP11で立ち上がります。
FZ : 「……いいか、“光芒一閃(ブライト・ナイト)”」
GM : 自分も首を絞められながら、フェイタルゾーン。
FZ : 「こういう時は、欲張りになったほうが勝ちだ。届く所には、全部! ……手を伸ばせ!」
GM : おー……!
あとり : そして三郎さんの行動!
FZ : うおおお、アレ(高原)どうしてくれよう!
GM : ええとねええとね、さっきの理由でGMからのヒントがまだ出てないからね、いま一から考えるのはあんまりだから……メジャーアクションを使って〈知識:レネゲイド〉なりの判定をすることで、解除の方法を教えるよ!
高原 : あるいは、困った時は[隠密状態]。
FZ : いやいやいやいや! むむむぬ……あとりに〈RC〉+《解放の雷》+《導きの華》……う、もしかしてもう侵蝕値やばい?
あとり : 137。2倍振りは確定してるからまだ大丈夫。まだ行ける!
高原 : ……(微妙な笑い)
あとり : ……(同じく)……まだ行けるはもうやばい。私知ってる。
FZ : ええい!(笑)……自分も入れよう。フルコンボだ。《要の陣形》を入れて、
◆コンボ“ちょっとピリッと刺激的! 生体電流活性空間にようこそ!”
〈RC〉+《解放の雷》+《導きの華》+《要の陣形》
GM : ながい!
高原 : コンボ名。
FZ : うん。
GM : なんで通販みたいなの!?
FZ : いやー……
GM : しかもマイナスイオンとかそれ系の!!
FZ : うん……もう少しギャグ的な状況で使うことになるかと思って。
GM : そのフルコンボを!?
何をする気だったのか。
高原 : バチバチバチ!
GM : ……と、領域が、
FZ : 私とあとりの足下に、地面を滑ってパッパッと移動して。
GM : ばちーん!
FZ : 身体がちょっと活性化する。
高原 : わずかに浮いている術前術後衣のあとりが、空中でピリッて。
GM : あとりお人形さんだな(笑)好き勝手されてるな!
あとり : やられ放題だな。
高原 : 味方からもな。……これでフェイタルゾーンの行動が終了?
GM : 終了。そして、高原が行動できないので自動的にラウンド終了。クリンナップフェイズ。
あとり : いだい。
GM : うん。……風がふっと吹き寄せ、吸い込んだ空気で肺が焼ける。汐からのダメージ1D10……8点。
あとり : い"っ……!!
高原 : 私はこれの対象にもならない?
GM : ならない。
あとり : ……待て。鞠、[戦闘不能]になったりしないか?
GM : うん? …………あ!!
あとり : なる?
GM : なった!
あとり : さっきギリギリって言ってたもんな。
GM : 忘れるとこだったありがと、……落ちた!
FZ : ……やばいな。
あとり : とどめをささない限り死ぬことはない、が。その前に。
GM : 《魂の練成》。
あとり : だよね。
GM : HP。3Dで……16になる。一度、汐からの、空気中に放たれるカウンターレネゲイドで、鉄筋の構造体の全体が揺れる。いや……波打つ。のた打ち回るように。その最中、大樹の根方に取り込まれた高原の姿が一瞬垣間見える。そしてまたすぐに見えなくなる。
FZ : 何……?
GM : 一度はガキン、と固まった鉄筋のお化けは、もう一度中心から……ズズズズ、と触手たちが這い出て、広がって。息も絶え絶えながら、持ち直す。……っていう練成。
FZ : お。
[触媒(カタリスト)]。他者のレネゲイドを活性化する、“光芒一閃(ブライト・ナイト)”の隠し技。