◆ 第2サイクル・シーン2 ◆  「また旅寝して草まくら」


 Scene Player ―― 生徒会長:秘野森 匿太郎



秘野森 : 先に動かさしてもらえたら、エニグマの秘密を抜きに行くよ。ものによっては情報共有を発生しなくされたりするから、早めにやっておいた方がいい。

ユヤ : 開いた後で行動使って解除しなきゃいけないかもしれないしな。

秘野森 : じゃ、行きます。ドラマシーンです。……9。

GM : 「静かな授業中の……」だから授業無いんだって。誰も使っていない静かな教室。

秘野森 : 出たい人誰かいる?

ユヤ : アタシちょっと出たいかな。

秘野森 : じゃ、出てくれ。静かな教室の中で一人、窓から外を見たり、遠くから聞こえる声に耳を傾けて。「……おかしい」

ユヤ : 「(ドアを開けて)何かヘンじゃない、会長?」

秘野森 : 「天波君。廊下のほうはどうだった」

ユヤ : 「みんな普通にやってる。……みんなは、普通にやってる。ただ、ねえ」

秘野森 : 「うむ」

ユヤ : 「アタシが『曲がってるから直して』って言った場所が、直ってないのよね」

秘野森 : 「では、『これから直る』んだろう」

ユヤ : 「……?」

秘野森 : 「打ち合わせが終わり、準備が進み。恐らく、そろそろだ」

ユヤ : 「え、」

秘野森 : 窓の外からガタガターン! と派手な音。

龍之助 : (制作中の生徒)「そっち持っててそっち持ってて、……あー! 崩れたー!!」

GM : あっ、言われちゃった!(笑)そうです。そうなります。

ユヤ : 「……会長は、気づいてるのね」

秘野森 : 「ああ」

ユヤ : 「……。アタシの占いメモね。誰が誰のこと好きか調べて書いてる」

秘野森 : 「ああ、そうだったな」

ユヤ : 「アタシの頭の中には、分かったことが入ってる。だけど、こっちのメモからだけ消えてるの」



 それが、現状の全てを物語っていた。


龍之助 : ……書記ノートのほうじゃないんだ(笑)

シオリ : あーー(笑)




秘野森 : 「……天波君。今日は何月何日だ」

ユヤ : 「ん……9月30日のはずよね」

秘野森 : 「昨日は何月何日だ」

ユヤ : 「9月30日、なのかな。これは」

秘野森 : 「恐らくそれが正解だ」

ユヤ : 「……え、でもそれ困らない?」

秘野森 : 「困る。これではいつまで経っても文化祭が始まらない」

ユヤ : 「会長は、文化祭を終わらせたい……の?」

秘野森 : 「そうでは……いや。君は勘がいいな」

ユヤ : 「……」

秘野森 : 「……最近、眠れないんだ」



 月読。

 謎の人物。正体不明の殺意。繰り返す夢。

 窓からの日の光の中、背筋を伸ばして立っているものの、よく見ると会長はずいぶん顔色が悪い。

 その横顔をじっと見ていたユヤが、静かに口を開いた。



ユヤ : 「……会長、アタシね。会長の探してる人を知っているわけじゃないんだけど……その人に、恨みがあるの」

秘野森 : 「恨み?」

ユヤ : 「ええ。アタシはその人のこと、一生懸命探すわ。探してる」

秘野森 : 「そうか。……分かった。信じよう」

ユヤ : 「うん。この状況をね、会長となら何とかできるかも」

秘野森 : 「……」

ユヤ : 「大丈夫! ……りゅ、龍之助先輩とのラブは邪魔しないわ!」

秘野森 : 「あ、ああ、それか。……それもな、いまいち自分ではよく分からないんだ」

ユヤ : 「それはラブよ! ってアタシが言ってあげたらいい?」

秘野森 : 「あるいはそうなるのかもしれない、が……その」

ユヤ : 「今は色んな趣味の子がいるから、そういうのもアリだと思うわ」

秘野森 : 「陸奥君が色んな女の子に向けているような、ああいったものと同じなのか、違うのか……」

ユヤ : 「そうよねえ。……アレが全部カムフラージュだったなんて……!?」

龍之助 : よ、よくあるキャラ性だよ!?

ユヤ : そりゃそうかもしらんけど、本命が男に向かうとは思わねえよ!!(笑)

シオリ : え、でも、ボーイズラブ系だとそこまで含めてよくあるよくある。

ユヤ : ソ……ソウデスカ……!! シリマセンデシ……うおおお!!(床に突っ伏して悶絶)

龍之助 : あ、許容量越えた(笑)

GM : (笑)




ユヤ : 「だ、だいじょうぶ会長! 受け入れてくれる層は徐々に拡大しているようよ!」

秘野森 : 「そうだな。そういうことは、君の方が詳しい」

ユヤ : 「任せといて!」

秘野森 : 「文化祭が終わったら。……ゆっくり聞かせて欲しい」

ユヤ : 「そ、それはなに会長、フラグ!?」

秘野森 : 「終わらせなければ……文化祭は、成功させなければいけない。明日を迎えなければいけない」

ユヤ : 「じゃ、……ガンバりましょ! 会長。大丈夫、アタシが味方よ」

秘野森 : ……

ユヤ : 口で言ってるだけですがね!

秘野森 : うん(笑)口で言われてるだけですが!

龍之助 : うあーー(笑)



 互いの【秘密】が分かるまで、何が起きるかわからない。手放しで信じることなど不可能。それがシノビガミですよねこのやろう。


秘野森 : GM、今回、「特殊な戦闘乱入」のルールは適用されますか。

GM : 適用しません。

秘野森 : そっか。じゃ、【居所】は関係ない。ならば「エニグマ」に行きます。

GM : 了解です。小道具か、清陵学園か。

秘野森 : まずは『清陵学園』を。周辺に耳を傾け、聞こえてくるみんなの声や物音に隠された罠の気配を。……《用兵術》。

GM : いいですね。

秘野森 : 8で成功。

GM : では公開します。




エニグマ『明鏡止水』

解除条件:計画判定《意気》

効果:戦闘中、「ボス」は、ファンブルしても、逆凪を受けない。


龍之助 : こわ……怖えええ!!

秘野森 : これは、行動を使って《意気》の判定をしないと解除出来ない。

GM : はい。

秘野森 : では、背景【身分】による情報判定もう1回。残しておいて得は無いだろう、エニグマもうひとつ剥ぎます。特技も同じく。……成功。




エニグマ『黒の闘気』

解除条件:計画判定《死霊術》

効果:「ボス」に対し攻撃を行ったキャラクターは、《意気》で判定を行う。この判定に失敗すると、集団戦ダメージを1点受ける。



シオリ : げ。

秘野森 : どちらも、ボスが強化される系統だ。

シオリ : 誰が解くのがいいかな。

GM : まあ、まだ2サイクル目の2シーン目だ。4サイクル目まであるから。

ユヤ : なんかで「こっからいきなりクライマックスです!」って言われかねなくはあるけれど!



 シノビガミに対する抜群の信頼感。


秘野森 : 「これは直接今回の事象を引き起こしているものではないが、裏で糸を引いている者が策を張り巡らせている」

ユヤ : 「誰か……が」

秘野森 : 「そうだ。どこかで何らかの手を打つ必要がある」

ユヤ : 「(笑って)やりましょ、会長。文化祭、成功させなきゃ。大丈夫、アタシにバーンと!」

秘野森 : 「よし。天波君。君には、周囲を洗ってほしい」

ユヤ : 「そうね。得意だし。やるわよ」

秘野森 : 「期待している」