◆ 第3サイクル・シーン5 ◆  「春の山辺に寝たる夜は」


 Scene Player ―― 副会長:陸奥 龍之助



龍之助 : 俺たちはどっちから行こうか。「エニグマ」崩すか【秘密】を抜くか……

秘野森 : 「エニグマ」行こうか。

龍之助 : お前は最悪こっちから敵を殴るために手番残したほうがいいだろう。

秘野森 : 【居所】が無いんだ。

龍之助 : そうか。じゃ、俺がシーンやって情報屋を呼んで、

ユヤ : 【居所】を手に入れれば、情報共有が起きるね。

龍之助 : それだ。俺から行く。

GM : 了解です。

龍之助 : ドラマシーン!

GM : 「静かな教室」。窓の外から、ガタガタガターン!

秘野森 : (生徒)「……あー! 崩れたー!!」

ユヤ : ドラマシーン、誰を登場させる?

龍之助 : 1人でいい、かな、……

ユヤ : 感情修正付けられるよ!

龍之助 : 分かった、お願い。……エニグマの解除をしたい。どっちから行こうかな。

秘野森 : 集団戦ダメージと、逆凪。

龍之助 : どっちも怖いけど、……んー、学校全体を助けるのはお前のほうがいいよな。こっちは小道具を何とかしよう。

秘野森 : 《死霊術》行けるか? ……あ、《結界術》代用で6か。

龍之助 : うん。……じゃ、小道具は衣装だから……ユヤちゃんの衣装のサイズ直しをしてることにしようか。




ユヤ : 「ごめんねえ」

龍之助 : 「んん、ユヤちゃんちょっとこれ裾長いなー」

ユヤ : 「そうなのよ」

龍之助 : 「エニグマ」の破壊を。……どこが怪しいか。《結界術》で《死霊術》に向かって代用判定、目標値6。

ユヤ : じゃ「えっとね、もうちょっと右!」感情修正、「愛情」で+1。

GM : ダイス目で5が出れば成功です。

龍之助 : 「おっけ。ちょっと後ろ側直すよ」と、こう、ユヤちゃんの前に膝をついた状態で、こう胴に両腕を回して。

ユヤ : 「ふむっ!?(硬直)」

GM : ラブいな!

龍之助 : 12。

ユヤ : スペシャル!

GM : 変調を直すか、生命力1点回復か。

龍之助 : 元気ですよ!? あうあう、ユヤちゃんにあげたかった!

GM : では『黒の闘気』が解除されます。ジュワ〜〜! 不気味な黒い煙が散っていく。

ユヤ : 「ぅえ!?」

龍之助 : 「……ほら、サイズ合ってなかった」

ユヤ : 「今のサイズの問題!?」

龍之助 : 「そうそう、サイズサイズ」

ユヤ : 「そ、そっか……」




龍之助 : それから「背景」【情報屋】による、情報屋エキストラを引っ張り出して、

GM : ほいっ。

龍之助 : 通りかかった女の子に、水波ってこの学校すっごい好きらしいよ!? っていう【秘密】を渡して。

シオリ : わあ、そんな中身(笑)

秘野森 : その水波君は最近このへんにいるらしいよって【居所】が。

GM : 手に入りました。

龍之助 : 情報共有起きる子、チェック入れて。

ユヤ : 全員だな。

GM : つながってるな君ら!?

ユヤ : 龍之助を中心に。

龍之助 : タラシキャラの役目!

秘野森 : (情報屋エキストラ)「最近ね、女の子と一緒に校庭歩いてるんだよ」

龍之助 : あー、ってシオリちゃんだ(笑)シオリちゃんの周りを張ってればいいんだな。……OK。




ユヤ : せっかく呼んでもらったついでにここでやろう。「……ねえ、先輩」

龍之助 : 「どした?」

ユヤ : 「アタシ、けっこう不思議ちゃんでさ」

龍之助 : 「うん」

ユヤ : 「幽霊と話せるんだよね」

龍之助 : 「うん、聞いたことある」

ユヤ : 「うん」

龍之助 : 「……え、マジ!?」

ユヤ : 「マジなの。ホントに、頭の中に声が響くの。……でもね」

龍之助 : 「うん」

ユヤ : 「本当はね、幽霊の人とかって、眠ってなくちゃいけないのよ」

龍之助 : 「そうなのか」

ユヤ : 「うん。呼びかけるのとかも、ホントは良くないと思うんだけど……だから、ね。先輩にお願いしたいことがあるの」

龍之助 : 「……何?」

ユヤ : 「きっと、……ね。アタシは、ここにいちゃいけないから」

龍之助 : 「……ユヤちゃん?」

ユヤ : 「そう、なの。詳しくは言えないけど、……全部終わったら」

龍之助 : 「…………」

ユヤ : 「それまでは一緒にいるから。そのあと、……アタシを、止めて」

龍之助 : 「…………」

ユヤ : 「もし止まっちゃうんだったら、アタシを看取って」

龍之助 : 「……それは『明日』が来たら、って話? 文化祭が終わったらって」

ユヤ : 「分かんない」



 いつも頼もしい生徒会の小さな太陽は、儚げに微笑んで首を振る。


ユヤ : 「アタシも分かんないの。何か大事なことがあったんだけど、……覚えてないの。思い出せないの」

龍之助 : 「……」

ユヤ : 「先輩は、……あはは、このアタシが好きな人だから! ……言って、おきたかった」

龍之助 : 「…………」

ユヤ : 「先輩は、みんな守るつもりだろうから。だから、……アタシのことも、止めてほしい」

龍之助 : 「……。ユヤちゃん」

ユヤ : 「ん、」



 跪いていた龍之助が、回した腕でそのままひょいと熊野を抱き上げ、後ろ向きに右肩に乗せた。

 視線は食い違ったまま、互いの表情は見えない。



龍之助 : 「ごめんな。そのお願いは、聞けない」

ユヤ : 「……先輩」

龍之助 : 「ユヤちゃん。ひとつ聞く」

ユヤ : 「ん」

龍之助 : 「真琴ちゃんについて教えてくれたこと。あの中に、誰かの嘘や……語りきられていない真実はあるか」

ユヤ : 「アタシは無いと思う」シオリちゃん以外は全部調べたから(笑)「……それは断言できる」

龍之助 : 「分かった」

ユヤ : 「うん。……そっか、……うん。しょうがないよね」

龍之助 : 「一緒にいよう」

ユヤ : 「う、」

龍之助 : 「…………」

ユヤ : 「ありがと。ありがとね、先輩。先輩のその気持ちだけで、」

龍之助 : 「一緒に。いよう」

ユヤ : 「……先輩。……先輩……っ」

GM : おー……

ユヤ : ぽろぽろっと涙を流したところで、

龍之助 : 「よいしょー!」(立ち上がって歩き出す)

ユヤ : 「わーー!!」

GM : のっしのっし(笑)では、シーンを終了します。