Scene Player ―― −
【プロット】
6:龍之助
5:秘野森
4:月読、シオリ
3:ユヤ
GM : では龍之助!
龍之助 : はいっ。【春香】使います。手の平の中に握りこんでいた、生徒会室の机の上にあったものをサラサラと風に流す。もう、これもガラスの粉にしか見えないけれど、漂う香りは……カオルとシオリちゃんが何度も買ってきていたあの紅茶。
GM : 演出細かい!
ユヤ : 鬼だ(笑)
龍之助 : 「失われた時を求めて。惑え、月読!」《香術》で判定、――11。成功。
GM : 《香術》なら《変装術》から代用して6だ。えいっ、
秘野森 : 【陽動】。
GM : わっ!?
ユヤ : 来た!!
秘野森は【学園の七不思議】で忍法を隠している。
そしてここまでただの一度も使わずに来た。彼に何ができるのかは敵も味方も誰も知らない。
使われた【陽動】は御斎の忍法。相手が回避に使う特技を、同じ分野の中でランダムに変更する。
秘野森 : ――成功。ランダムで……《遁走術》に変更する。「逃がしはしないッ!」
GM : それだと8か。うーん、喰らったらきっと逆凪にしてくるだろうから、うーん……よし!
ユヤ : 来ますか!
GM : 月読は、身体全体で地を滑るようにして香りの範囲から逃げます。奥義【絶対成功】を使用。「蛇身操身術!」
ユヤ : まず見切れるかどうかか。
秘野森 : 失敗。
ユヤ : ここが成功しておくといいのかな、奥義破りで【完全成功】すればいい。
龍之助 : 分かった、頼む! 感情修正。「ユヤちゃん!」
シオリ : 「天波先輩」こっちからも。
ユヤ : 「うん!」《見敵術》。みんなから見ると、かくんと糸の切れた体を、後ろに立ったもう一人のユヤが糸で操っているように見える。現状死んでるから、忍術で動かしてる感じで。
GM : うわああ。
ユヤ : 5出ろ5出ろ……! 4、+2で6! よかった、貰ってなかったら失敗してた!
龍之助 : よし!
秘野森 : 情報共有。……これ、奥義2つある時は奥義チェック2つ書くんですか?
GM : そうなるね。狭いけど書いといて。
秘野森 : 指定特技は。
GM : 《流言の術》。
ユヤ : それなら6で行ける。
シオリ : 私も。
龍之助 : 任せた!
GM : これで、【春香】の回避はした。では会長!
秘野森 : 【学園の七不思議】で隠している忍術、その2。【武曲】。
【武曲】は集団戦ダメージ(変調)を1点だけ与える攻撃忍法。
ただし、相手が変調を受けている場合、その数だけの射撃戦ダメージが追加される。
GM : つまり、これはターンが重なっていくほど……!
秘野森 : そうです、辛くなっていく。指定特技は《野戦術》です。……5で成功。
GM : 《兵糧術》から伸ばして7。行きます……ほい、8! 成功。
龍之助 : 避けられた!
GM : では、月読が……
シオリ : そこで。――【操り人形】。
GM : う!?
シオリ : (にっこり笑って)【感情】。……持ってるよね。
【操り人形】。比良坂機関の忍法。
自分に対して【感情】を持つキャラクターの手番になったときに使用でき、成功すればそのラウンド中、相手の行動を自由に操作することができる。
GM : 自由にって!?
シオリ : そう。代わりにダメージは受けてやる。……3!?
GM : よし!
シオリ : 「神通丸」、振り直し!
GM : まだ持ってたの!?
シオリ : 持ってたよ、【補給】ばんざい! ……成功!
ユヤ : よっしゃー!
GM : 回避は、
秘野森 : できない。
GM(月読) : ぎゃー!!「やはり……やはり、君を……!」
シオリ : 「月読。お前に私たちを攻撃できるわけないだろう。お前が言った、『仲間』を」
GM(月読) : 「ぐ……ッ!」
シオリ : 何もするな。
秘野森 : 行動放棄を選択。
GM : こ、これはどうしたら……真琴、帰ってきてー!(笑)
ユヤ : 危なかったらしい!(笑)
GM : 強すぎないかこれ!?
龍之助 : 相手からの【感情】が必要だから、普通ミドルで手番食ったうえにNPCに出てもらってないと使えないからかな。
秘野森 : お前どうしてシオリちゃんに【告白】持っちゃったの。
GM : シナリオで指定されたんだよ!!
PL : (笑)
龍之助 : 「……お前が一番、よくわかってたことだろう」
GM(月読) : 「僕は……僕は、仲間を……仲間に……!」と、ロールだけ回させてもらって終了。
ユヤ : ここで殴るとシオリちゃんにもダメージ入っちゃうのか。
シオリ : いいよ。
龍之助 : まずい時はそのダメージを俺が庇う。
秘野森 : わあ(笑)
シオリ : 大丈夫。「言っただろう。ふたりで歩いて行こう、って。……(味方に)だから、遠慮はしなくていい」
ユヤ : 変調も入るわよ!?
シオリ : えっ。……まあ、賭けてみよう!
ユヤ : シオリちゃん!?
ユヤ : 糸で身体を操って、周囲から……砕けていく世界から、学校にいた花子さんとかいろんな霊を集めて【集団戦攻撃】します。《死霊術》。……6、成功。
GM : 《死霊術》……《召喚術》から伸ばして6。
ユヤ : ごめんアタシこいつにダメージ与えられないわ!?
GM : 7。成功。回避でラウンド終了です。
【プロット】
6:シオリ、龍之助
4:月読、秘野森
3:ユヤ
龍之助 : 【春香】。俺にはこれしかできることはない。……8、成功。
秘野森 : 回避は《香術》。
GM : 《変装術》で代用、
秘野森 : 【陽動】。――4、ファンブル!
シオリ : 遁甲符!
秘野森 : ありがと、……3でファンブル。
ユヤ : ぎゃー!
秘野森 : 神通丸使います。――6、成功。
PL : やった!
秘野森 : 変更箇所は……7、《隠形術》。
シオリ : あやや。
ユヤ : これ、誰の攻撃を当てさせるように動いたらいいんだろう。当てやすい人は?
秘野森 : 誰もあんまり。
龍之助 : 特技の相性がまずい。
秘野森 : だから、まずここでファンブルエリアに落とすところから始めるしかないと思う。
ユヤ : わかった。じゃあここで月読に感情修正、回避にマイナス。「駄目よ。アタシを殺した人が、そんなに活き活き動いてくれちゃ」
GM(月読) : 「だったら、僕の世界に来ればいい! 君はそこで生き続けるんだ!」
ユヤ : 「(笑って首を振る)アタシは……静かに眠りたいの」
GM : 7。成功。
ユヤ : うあ、仕方ないか……!
龍之助 : 3、4か。――奥義【判定妨害】。
GM : うおっ!?
秘野森 : 4の目を1にして失敗に。
龍之助 : 「『――奥義、ワールド・ワイド・ウェブ』」両手を伸ばして、香りの煙で編んだ網を掴む。「これを校内にめぐらせて、お前を守ってたんだがな……!(網を強く引く)」
GM : ファンブルエリアか!
秘野森 : 見切り判定はできる。
GM : よし、《流言の術》から……見破れず!
秘野森 : 判定によるファンブルでファンブルエリアに移動。
龍之助 : じゃ、【春香】の効果では射撃戦ダメージを1点入れます。香りは、カオルとシオリちゃんが二人で話していた、昇降口の下駄箱の、砂と埃っぽいあの匂い。「……どれだけお前の足が速くても、逃げたくないものからは逃げられない。記憶に縛られるといいさ」
GM : 「うぐ、僕は……僕は、もう一度……!」食らいます。
ユヤ : これで奥義以外では殴ってこられない。今だ!
シオリ : 分かった、攻撃! 【蝕穢】。
【蝕穢】は醜女衆の忍術。黄泉の穢れを通じて相手の精気を吸い取る。
接近戦ダメージ1点に加え、ラウンド中相手が使える忍術のコストを下げ、自分が使えるコストを上昇させる。
シオリ : 《毒術》で判定……6、失敗!
ユヤ : え、6で?
シオリ : ファンブル。プロット6なの!
ユヤ : あー……!
GM : では秘野森!
秘野森 : 奥義の使用を宣言。「『学園七不思議ノ14番――保健室の死神』!!」
龍之助、ユヤ : 先生!!?
秘野森 : 何もない空間をトンと叩くと、突然そこに学校の扉がずらりと並ぶ。その一つがガラッと開いて。白衣の腕がぬっと現れて、月読を引きずりこむ。そして中から怪しい音が響き……
ユヤ : ガンガン! ガキョン!
シオリ : ひー!!
秘野森 : 再び扉が開いてトンと押し出す。【クリティカルヒット】です。
ユヤ : 格ゲの超必殺技か!!(笑)
秘野森 : 接近戦ダメージ4点。場所行きます。
GM : あ、いらないです。
秘野森 : エネミーか!
GM : いてー、めちゃ痛え!
ユヤ : そして見切りは行えない。
GM : そうか、逆凪だ!
秘野森 : 貴様の手番だ。
GM : ではこちらからも奥義。【範囲攻撃】、「蛇閃鱗!」!
ユヤ : 初撃は食らうしかないよね……!
GM : 全身から蛇の鱗が立ち上がり、カカカッと飛んで皆さんに突き刺さります。
龍之助 : まずいの誰だ!
ユヤ : まだ大丈夫!
秘野森 : 器術と謀術つぶして、見切り判定。
龍之助 : いくつでできる。
秘野森 : 《暗号術》から6。
龍之助 : それならお前だ。感情修正、愛情で+1。「見えるか、秘野森!」
秘野森 : 「ああ」――11で成功。情報共有。
ユヤ : アタシは共有無いから自分で、……失敗。
秘野森 : 範囲攻撃の指定特技は?
GM : 《分身の術》。
シオリ : 《傀儡術》から6で行ける。
龍之助 : こっちも。次はどちらも止められる!
GM : 最後はユヤだ。
ユヤ : 「行くわよ」……【集団戦攻撃】。
シオリ : 感情修正!
ユヤ : ありがと! 行け、亡霊!
ユヤ : ……1ゾロに見えるな。
秘野森 : 見えるね。
ユヤ : これは仕方ないね。……シオリちゃんに入らないうちに攻撃入れておきたかった!
【プロット】
6:月読、シオリ、龍之助
4:秘野森
2:ユヤ
秘野森 : 【春香】を封じる方を選んだか。
ユヤ : あと【操り人形】が早くなればこっちが殴りづらい。代わりに【接近戦攻撃】の間合いだ。
GM : 行くぜ!
龍之助 : 【接近戦攻撃】……俺の、《結界術》なんだよな!
ユヤ : なら【陽動】の意味が出る。
GM : こちらは忍法【八岐】を使いたい、が。
シオリ : 【操り人形】! ……4でファンブル! あー、また何もできない……!
龍之助 : 大丈夫。シオリちゃんの【操り人形】と俺の【春香】は、使い続けるだけでも相手のプロットを追い込む役に立ってる。
シオリ : そっか……うん!
ユヤ : 【八岐】は……エネミーの「大蛇」になる技。
秘野森 : データ全部。
ユヤ : うん。……だから、特技が変わってこっちの攻撃当たるようになるかも!
龍之助 : ポジティブだね!?
GM : う、でも、そうか。
秘野森 : 使うの、今じゃないんじゃないですか? 体力がギリギリになってからの方が、ほら。
GM : そうだなー……賭けるか。ここでは【八岐】は無しにして、攻撃に出る! もう全員2点は入れてるもんな。【痛打】を入れて攻撃しよう。処理はどっちから行こうか。
秘野森 : 処理は同時だから、どちらから振っても大丈夫。
GM : そうか。じゃあ龍之助からどうぞ。
龍之助 : はいっ。【接近戦攻撃】、てや! (コロコロ)……あっ。
秘野森 : スペシャル。1点回復、ダメージが1D6に。
GM : げはー! 回避は《召喚術》からで目標値8。
秘野森 : その向きだと【陽動】は辛いか。感情修正で下げるのが正解だと思う。
ユヤ : 感情修正、マイナス掛けます。「内助の功……!!」
全員 :(笑)
GM : 目標値9。……9で成功!
ユヤ : あじゃー。
龍之助 : 「奥義、ワールド・ワイド・ウェブ!」
秘野森 : 【判定妨害】。ファンブルに。
GM : 来るよね! 見切り判定はするよ! 《流言の術》から……10、成功!
ユヤ : 見切られたか! 次はまずい。
秘野森 : 隠し特技を使うなら見切り判定しておきます。――スペシャル。生命力1点回復。
シオリ : やった!
GM : こっちは、兵糧丸を2個使っておきます。これでよし、ダメージ来い!
龍之助 : 1D6っ……あう、2か!
GM : ではこっちからだ。まず【痛打】! 成功。
龍之助 : 何で殴ってきますか!
GM : 【龍星群】を使用します。
秘野森 : 来た! 【流星雨】の強いやつ!
【龍星群】は隠忍の秘伝忍法。上忍のみが使うことができる。
間合い内の全てのキャラクターに2のダメージを一気に与えられる、奥義並みの破壊力を持つ。
GM : 9。成功! 回避は《召喚術》です。
ユヤ : 射撃戦ダメージ1点上がって3点か。
龍之助 : 間合いは?
ユヤ : 3。だからこっちは入らない。みんな頑張って!
秘野森 : で、月読も回避してください。
GM : うん!?
秘野森 : 間合い内の全員なので。
シオリ : あ……!
GM : あ、そうか! じゃあ《召喚術》、
秘野森 : そこに【陽動】。
ユヤ : なるほど……!
秘野森 : 《暗号術》……ファンブル!
龍之助 : あー!
秘野森 : これは仕方ない。回避まではできる、……5で失敗。
ユヤ : 生きてる!?
秘野森 : よゆう。
ユヤ : ほんとか!?
秘野森 : スペシャルが効いてる。
龍之助 : 8。成功。
シオリ : 失敗。残り1点。
GM : こちらは回避しません。食らって【悪食】を使います。
秘野森 : そうか、射撃戦ダメージか。
【悪食】は隠忍の下位流派「凶尾」の忍法。
射撃戦ダメージを無効化し、同じ値だけ生命力を回復する。
ユヤ : えっぐ……!
龍之助 : そういうコンボか! え、3点全部!?
秘野森 : そう。
ユヤ : 鬼か!
GM : これがあるから人の姿でまだ行ける。てやっ!
GM : …………あ、
秘野森 : …………ファンブル。
龍之助 : あっ……
降り注ぐガラスの流星群は、あの世界の破片。
そのひとかけらずつに、繰り返したあの日々の思い出を映しこんでいた。
月読は、それを受け止めきることができなかった。
両腕を広げたまま、呆然とした表情で、
やすやすと喰らって血肉とするはずだった記憶のかけらが、自分の身体を貫くのを見ていた。
忍の戦は光速。
はじまりに砕け散ったガラスが地に落ちるのと、月読がその上に倒れ伏すのと、
1秒の時間差もなかった。
かしゃん、と、
澄んだ音を夜空に響かせて、戦いは終わった。
【春香】はハグレモノの技。
間合い内の自分よりプロット値の低いキャラクター全員に、射撃戦ダメージを与えるか、ファンブルエリアに移動させることができる。