Double Cross the 2nd Edition
シナリオ「 嘆 き の ラ ヴ ィ ー ニ ア 」

シ ナ リ オ フ ッ ク 部 分

 長年UGNに紛れ込んでいたFHのスパイ、"ブラス・ブラック"深槌英郎(みづち えいろう)
 「増幅したオーヴァードの“衝動”を無機物にとり憑かせる」という
 たちの悪い研究を行っていた。

 彼の造る薬品「アルファ・トランス」
 オーヴァードの衝動を増大、さらに、その状態の体内のレネゲイドを
 EXレネゲイド「ブルー・フェアリー」に変質させる。

 この「ブルー・フェアリー」をばら撒けば、
 周囲の無機物が、込められた強烈な衝動にしたがって動くジャームと化す。

 人間をジャーム化させるよりも足がつきにくい分、
 「クイーン・オブ・ブルー」や「スノーホワイト」よりも優秀だと深槌は(勝手に)自負している。



 「ブルー・フェアリー」は、理論的にはレネゲイド感染者の誰からも生成する事が出来る。
 が、アルファ・トランスの効果の序盤で衝動が増大した段階で、
 被検体の本体がそれに耐えられずにジャーム化してしまう場合も多い。
 …もっとも、深槌にとってはそれは「目立ちやすくなって困る」という以上のデメリットではないのだが。


今 回 の ス ト ー リ ー
 
背 景

 ステージ
 とある大学病院の新館東棟に設置された特殊な入院病棟、
 正式名称「特別計画療養棟」、通称「新館東」をステージとして設定。

 (実はこの病院自体がUGNの傘下で、
  この病棟には特にレネゲイド関連の不安定な状態を呈している患者が収容されている。)



 時期
 ルールブック付属シナリオ2本目「雪の人形」
 それにリプレイ
「闇に降る雪 −Queen of Blue−」と同時という時期を設定。
 上記のシナリオのボス陣であるUGN内の反逆者に 協力していた
 FHのスパイがおり、そいつがもうひとつのテロを起こそうとしていた…という背景。




 未完成だったこの研究を完成させるための実験体がほしかった深槌は、
 UGNの協力者である医局長・安藤 泰三(あんどう たいぞう)を利用。

 交通事故で娘を失った彼に付け入り、娘を生き返らせてやるとそそのかして
 病院の地下に隠されている UGNのクローニング施設の鍵を開けさせ、
 娘のクローンを繰り返してはこっそりと「アルファ・トランス」を投与していた。

 「ブルー・フェアリー」が生成されるかどうかの実験と、UGNのクローン技術を盗むという一石二鳥。
 娘・美奈子との関係が世間にばらせないものであった安藤医局長の事情を利用してそれは続いた。

 (美奈子は 安藤が 過去、家庭を持つ女性と不倫した結果生まれた娘であり、
  彼は今も美奈子の戸籍上の父親・佐多 成人(さた なるひと)に養育費と口止め料を払い続けていた)


 何度繰り返しても、美奈子は急激にレネゲイドに浸食され 早々に衝動を暴走させて、
 食人や自食を行っては 自責の念と恐慌から自殺してしまう。
 生きている時間が短くて充分なブルー・フェアリーが採取できないために、クローニングは続けられる。

 凄惨な無限ループのさなかから、
 少女は声なき悲鳴をあげた。


レ ポ ー ト

 1. 参加PC

 2. オープニング

 3. ミドルフェイズ

 4. クライマックス

 5. エンディング


 参考資料

 「死なない蛸」(萩原 朔太郎)
 「タイタス・アンドロニカス」(ウィリアム・シェイクスピア)
 「ひとくいどじんのサムサム」(谷川 俊太郎・作詞/林 光・作曲)





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