◆ 第3サイクル・シーン2 ◆  「あしたのとこぞ起き憂かりける」


 Scene Player ―― 会計:三好 死織



シオリ : 【感情】を結びたい。3サイクル目だよね、1人ずつ行こう。

ユヤ : プラスの感情修正与えられたら戦闘楽になるしね。

秘野森 : 仲間ならな。

GM : そう。仲間ならな。

シオリ : 真琴は、終わらせたがってるんだよ。私も【使命】的に文化祭を終わらせたい。ただ……「無事」にね。

秘野森 : 表の【使命】的には。

シオリ : じゃ、ドラマシーン。……6。

GM : 「校庭。体操服姿の生徒たちが走っている」

ユヤ : じゃ、いつもの買出しシーンが終わった後かな。

GM(カオル) : 「いやー、助かったよ、シオリちゃんについて来てもらえて」

シオリ : 龍之助先輩もお願い。

龍之助 : おっけ。それじゃ、2人が昇降口に入ってきたあたりで階段を下りてきて「お、シオリちゃん(手を振る)」

シオリ : 「買って……きました」

龍之助 : 「えらいえらい」くしゃくしゃ。「荷物持とう」

GM(カオル) : 「陸奥先輩、準備は進んでますか?」

龍之助 : 「おう、進んでる進んでる。もうちょっとだな、水波」

シオリ : 「……水波君、『こういうこと』大好きみたい。こうやって、みんなで色々やること」

龍之助 : 「おう。えらいぞ水波」

GM(カオル) : 「いやー」照れた顔で。「こうやってみんなで騒ぐのが好きなんです。青春が好きって奴なんですかね!」

龍之助 : 「青春かあ。そうだよな。……9月の運動会はどうだった?」

GM(カオル) : 「え?」

龍之助 : 「(笑顔のまま)6月のスポーツ大会は? 4月の新入生歓迎行事は?」

GM(カオル) : 「あー、あれも楽しかったですよねえ」

龍之助 : 「お前、運動会では何の種目に出たんだ? スポーツ大会では?」



 奇妙な沈黙が流れた。


GM(カオル) : 「……や、はっきり覚えてないんですけど、結構楽しかったはずですよ! 俺も生徒会のメンバーですし!」

龍之助 : 「そっか」

GM : 水波カオルはニコニコ答えます。話していることそのものが楽しい、今この場にいることが楽しい、そんな感じです。

龍之助 : 「うん。俺は、それでいいと思う」

GM(カオル) : 「何ですか、陸奥先輩。ヘンな事言って」いぶかしがる。「ね、シオリちゃん」(顔を覗きこむ)

シオリ : 「……!」(下を向いてメガネをぐっと押し上げる)

龍之助 : ああもう可愛い!(笑)

ユヤ : メガネの奥見られたら殺さないといけない。

秘野森 : そこ!?

シオリ : 「……でも。頑張ってこうやってみんなで準備するのも、ちゃんと成功させて、終わらせるのが目的だから」

GM(カオル) : 「そうだよね! 全力で頑張って、成功させて、打ち上げをやろう!」

龍之助 : 「じゃ、成功のために、シオリちゃんも可愛いかっこしてくれる?」

シオリ : 「……(ぶんぶんぶんぶん!)」

龍之助 : 「似合うのにー」

シオリ : 「(ぶんぶん)……先輩が、すればいい!」

龍之助 : 「俺ちゃんと渡された服着るからさ。そうだ、シオリちゃんもしフリフリのかっこすんの恥ずかしかったらさ、俺たちと同じ格好も受けると思うよ」

シオリ : 「しつ……じ?」

龍之助 : 「そうそう。それなら肌も出ないしさ。俺は、それはそれですっげえ可愛いと思う」

シオリ : 「……メガネ、かけたままでもいい?」

龍之助 : 「メガネ執事、いいじゃん。1人はいないとだろ」

シオリ : 「このメガネは……だめだとおもう……」

龍之助 : 「いいじゃん、ミステリアスな感じでさ。ミステリアスな女の子は素敵だよ」

ユヤ : そこで水波が「うん、い、いいと思う!」とか言うと可愛い(笑)

GM : それありだね! それでいこう。

龍之助 : 「な、水波?」

GM(カオル) : 「うん、い、いいと思う!」

シオリ : 「どっ……うして、そういう嘘、言うのっ」

GM(カオル) : 「嘘なんか言わないよ!」

龍之助 : 「水波は嘘下手だもんな」

GM(カオル) : 「し、シオリちゃんは何着ても……可愛い、よ……」顔を逸らして。

龍之助 : 「はは、邪魔しちゃったなあ」

シオリ : 「も、もう……行きますよ! 2人とも……」




シオリ : と言ってすたすたすたと歩き出しながら、メガネをずらしてチラッと見る。龍之助先輩に《瞳術》で感情判定です。てや! ……4。……神通丸使います。成功!

龍之助 : OK! 「憧憬」か「劣等感」……劣等感面白いなあ。

シオリ : 「忠誠」か「侮蔑」……「忠誠」。

龍之助 : うーん、データ的にはプラスの方がいいんだけど、今の彼女には「劣等感」持ってみたいな。そっちで。

シオリ : 神通丸を【補給】……失敗。イヤー!

ユヤ : 大丈夫! 今回はサイクルが長いから、次でまたできる!

GM : 次は忘れずにカオルから感情修正入れるよ。

シオリ : でね、今の《瞳術》と同時にカオルの秘密を先輩に渡したい。

GM : OKだよ。

龍之助 : お!? ……わかった、じゃあ情報共有で、

ユヤ : PC全員が知ることになって、これは公開情報になるかな。



 カオルの秘密を読む面々。






(再掲)【秘密】補佐官(NPC):水波 カオル
「実はあなたは、ラノベやマンガが大好きだ。そんな物語に登場する楽しげで幸せそうな主人公たちにものすごく憧れている。自分でも、そんな楽しい時間を過ごそうと思い、仲間を集めて同好会を作った」


秘野森 : ……ふー……ん。

ユヤ : 確かにこれは、穴埋めとして助かった。

シオリ : うん。無駄打ちがなくなるでしょ。それで埋めときたかったの。

秘野森 : ……(表側のハンドアウトを確認している)

龍之助 : この「同好会」は、我々の設定の場合には「生徒会」と読み変えていいのかな?

GM : ……いいえ。

秘野森 : 別の何かがあるんだな。この「同好会」には。――わかった。そして、こいつの【使命】は表のままなんだ。

シオリ : お、お?

秘野森 : 【秘密】に【本当の使命】が書かれていないから、上書きが起こらない。だから、こいつの目的は本当に「みんなで楽しい時間を過ごすこと」なんだ。

シオリ : あ、そうか!

GM : ということです。……では改めて次のシーンだ。