Scene Player ―― 書記:天波 熊野
ユヤ : 調べるべきは……真琴ちゃんだよね。あの子のこと、全然わかんないもんね。
秘野森 : あれだけ怪しい動きをしておきながら、誰もな。
GM : まさかのノーマーク(笑)
ユヤ : そうだよね(笑)よし。じゃ、ドラマシーンで、真琴ちゃんの調査から。「あなたの好きな子を早くアタシに……!」と、まずシーン表だね。……5。
GM : 「校舎の屋上」。屋上からは学園祭の準備の様子がよく見える。軽音部のハウリングの音と、演劇部の台詞。
龍之助 : (演劇部員)「ばあやを使いに出したのは時計が9時を打ったとき……」
GM : 予定通りだ。全く同じものの繰り返し。
ユヤ : 「……いや。もう、……いいか」出たい人いる?
秘野森 : 出たいことは出たい。奥義を見切らなきゃいいんだろ?
ユヤ : 要はそういうことなの。
龍之助 : 見切らずに、できるだけ出て、感情修正で判定を助ける人。
シオリ : そっか、じゃ、私も……
ユヤ : ごめんね、シオリちゃんはまだ駄目なの……!
ユヤ : ごめんね、ごめんね! だから、会長と龍之助先輩、お願いします。
秘野森 : 「(屋上へ上って来ながら)……あのハウリングの音も、何回目かな」
ユヤ : 「さあ何という三角関係でしょ、私たち(笑)……あれ、三角ではない?」
シオリ : ……山型?
龍之助 : 「うん。ただの、俺の二股。(笑)」
シオリ : バイで二股って事だね(笑)
ユヤ : 「アタシはこの愛も許容するわ!」
秘野森 : 「別に愛と言うものは一人だけに注がれるものではないだろう」
ユヤ : 「それなら、アタシはどこまでも頑張れるね」……真琴ちゃんに情報判定。最初の一発は奥義を使う。「絶技『神霊降臨』」。
龍之助 : ごめんね。見切る。
シオリ : う!?
ユヤ : ん。やるとしたら先輩だとは思った。アタシの【秘密】、まだ誰も知らないもんね。
龍之助 : そうなんだよ。「ごめんな。俺は、守らなきゃならない」……《見敵術》。失敗。「神は見えないなこれ……!」
GM : (笑)
ユヤ : これで【完全成功】したので、真琴ちゃんの秘密を抜きます。……5。通常の【秘密】が明らかになりました。
秘野森 : 情報共有は、まずシオリちゃんと龍之助に起きるね。
【秘密】(諸星 真琴) |
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「実はあなたの本当の名前は『契兎』である。あなたは、水波カオルが『月読』だということを知っている」 |
ユヤ : ……! そうか……!!
龍之助 : こういうシナリオの作り方があるのか!
ユヤ : そうだね。本人も分からないけれど、こうやって。
ユヤ : 「……龍之助先輩。このことって、会長に伝えていいの」
龍之助 : 「(悩む)……」
ユヤ : 「どうしても止めるって、言うなら」
龍之助 : ……GMにひとつ質問がしたいです。
GM : お、何だ何だ。
秘野森 : なんだ、どうした。
龍之助 : ……OK。それならば。「いや……伝える。伝えるべきだ」
秘野森 : 「……僕の不眠に関わる何か、なのかな」
ユヤ : 「……ん」とりあえず、先にゲーム的処理を全てやってしまうね。【闇神楽】を発動、《遊芸》の判定。
龍之助 : 「お願い」と頭を撫でる。「愛情」で+1。
GM : どうぞ!
ユヤ : ……3! 終了!
GM : 【補給】はする?
ユヤ : する。さっき消耗した方の「兵糧丸」を。……成功。……で。
龍之助 : 「……危険に巻き込みたくはない。だけど、」
ユヤ : 「うん」
龍之助 : 「一回一回、夜は過ぎていくわけだから、弱って倒れられても困るし、……いつか誰もいないところで1人で戦いに挑まれるくらいなら、協力関係を結んでおく方がいい」
ユヤ : 「あたしは、会長の味方だから」止めない。
龍之助 : 真琴の【秘密】、渡します。
今さっき明かされた秘密を伝える2人。
月読の正体。それが今、どこにいるのか。
秘野森 : 「……」
龍之助 : 「秘野森。そいつらは実在する。お前の夢や妄想じゃない」
秘野森 : 「…………」
ユヤ : 「会長……」
龍之助 : 「そして、これは俺が保障する。そいつに対するお前のその気持ちは、誰かに植え付けられた罠でもないし、幻でもない」
ユヤ : 「そう、なんだ」
龍之助 : 「普通の高校生にこんなことを言うのはおかしい話だが、……『その殺意は正当だ』。お前が迷う必要は無い」
秘野森 : 「……どこにでもいる普通の高校生。自分がそういうものであるとは、思ってはいない」
ユヤ : 「うん……アタシもそう。なんか、どっかおかしいよね」
秘野森 : 「だが、……だがそれでも、恐らくは、周囲から見た姿は『どこにでもいる普通の高校生』。ミステリアスな生徒会長」
龍之助 : 「おかしいのは名前くらい(笑)……な」
秘野森 : 「最近見る夢が、一体どういったことを暗示しているのか。あるいは夢ではないのかもしれないが、その確証は無い」
龍之助 : 「……」
秘野森 : 「彼がそういう存在で、いったい何をしようとしているのかは分からない。もしファンタジーやメルヘンのような存在で、この9月30日が繰り返される理由が彼なのだとしたら、それは全力で止めなければならない」
ユヤ : 「そうね」
龍之助 : 「……」
秘野森 : 「そのためには、」
龍之助 : 「そのために、人ひとり……あるいは、ふたり。殺めるだけの覚悟はあるか」
龍之助 : 「気持ちの問題だけじゃない。お前は『どこにでもいる高校生』。人殺しの経験と過去を背負うだけの覚悟はあるか」
ユヤ : 「……」
龍之助 : 「ないなら、ないと言ってくれ。秘野森。俺がやる」
秘野森 : 「正直な話をしよう。――『ない』」
龍之助 : 「そうか。なら、」
秘野森 : 「だが。……だが。この学校に降りかかっている災難が彼のもたらすものならば、それを何とかするのは生徒会長の務めだ」
真っすぐな瞳で「会長」は言う。
それから、言葉の出ない2人に向かって笑ってみせた。
秘野森 : 「まさかこのようなことがこの学校に起こるとは誰も思わなかっただろう。過去のどの代の生徒会長も、こんな事件に巻き込まれたことはないはずだ」
ユヤ : 「まあねえ」
秘野森 : 「だがそれは、僕の代で来た。なら、それを止めなければならない。会長にだけ伝わる、この学校に隠された秘伝によって」
ユヤ : 「そんなのあるの!?」
秘野森 : 「ある。君も、知りたければ来年、会長になるといい」
ユヤ : 「アタシが!? ど、どうなのかしら。……頑張ってみるわ」
龍之助 : 「……」
ユヤ : 「先輩。龍之助先輩には、その……大事なものを守る力があるんだよね」
龍之助 : (キャラシートをガン見)
ユヤ : ゲームデータ的な話ではない!!(笑)
龍之助 : えっ。
ユヤ : アタシは先輩の【秘密】にああ書いてあるから言ってるの!!
龍之助 : あ、OK、OK(笑)
ユヤ : アタシたちとは違うでしょ!?
熊野は、龍之助の秘密の冒頭「実はあなたは忍者である」の部分を指している。
今回、現時点でその自覚があるのは龍之助だけだ。
龍之助 : 「……ああ。そして何よりも、俺には……何が夢で何が現実なのかが分かっている」
ユヤ : 「そ、……っか」
龍之助 : 「だから、人殺しに挑もうとしている高校生の生徒会長にこう言うことができる。……お前がこれからやろうとしていることで、お前が表の世界で社会的な罰を受けることはないだろう。お前の家族が後ろ指を指されるような心配も要らない」
秘野森 : 「……」
龍之助 : 「記憶するのは俺たちだけ。そして、お前の手が汚れて、お前の中に人を殺した感触と記憶が永遠に残るだけ」
ユヤ : 「……う、」
龍之助 : 「秘野森。耐えられるか。それにさえ耐えられればいい」
秘野森 : 「なんだか話は見えないが、……陸奥君、君が何らかの特殊な存在であることは分かった気がする」
龍之助 : 「……」
間。
秘野森は目を閉じて静かに息を吸い込み、長く吐ききってから目を開けた。
秘野森 : 「……崩れるかもしれない。そのときは頼む。何しろ初の経験だ」
龍之助 : 「……分かった」
ユヤ : ……でね、先輩の秘密はこうなのよ! ってここで渡さない方がいいよね!?
秘野森 : うん! うん!(笑)
龍之助 : ごっ、ごめんね! 無駄にミステリアス気取ってごめんね! PL的には大した話じゃないのよ!
ユヤ : 「大丈夫、会長。先輩は、絶対に会長の味方だから」
秘野森 : 「当然だ。僕は君たちを信じている」
ユヤ : 「うん。きっと、シオリちゃんも。……たぶん……」
全員 :(笑)
ユヤ : ごめんね、ごめんね! だからここで【秘密】抜いておきたかったの!
龍之助 : 4人で団結したかったのね!?
ユヤ : そうなの、わだかまりをなくして!
秘野森 : ひーー(爆笑)
龍之助 : シオリちゃーん!
ユヤ : ダイス目でこのザマだよ……!!
GM : 締まらねー!!(笑)